第六十回 笑面虎、本心から大いに笑う
あの日、
……とは言え彼は
「朱富よ。大丈夫なのか? 突然首領にあんな事を言って俺は驚いたぞ。本当に酔っていた訳ではないんだな?」
「もちろんだよ兄さん。王倫様の気にしていた『
「頼むぞー? 全部俺の責任になるんだからな」
朱貴は
梁山泊に
彼が
「兄さん、あれは確か軍師の方じゃなかった?」
「ああ、呉用先生だ。最近では希望者に文字の読み書きなども教えて下さっている。首領と同じくお
「……ふーん。文字をねぇ。
朱富が望むので朱貴は呉用と弟を引きあわせる。二人がお互い紹介を
「呉用様。王倫様はここを
「そうです。実に
「私も思いました。ところで個人的に感じたのですが……
「……
朱貴は弟が
「おい朱富、あまり立ち入った事を聞いて軍師殿を
「いや朱貴殿。お
それを
(なるほど。あの首領にしてこの軍師ありか)
朱富はなんだか楽しくなってきて朱貴に言う。
「兄さん、僕は
「な、何を突然言い出すんだ。お前には奥さんもいるだろう。その
「うん。妻と一緒にここへきて店を出すつもり。……この地域にね」
「な、何?」
「呉用様。商売人の視点で見るならここは店を出すならうってつけの場所です。私の
「ふむ。それは問題ないと思いますが……」
呉用も税収の事を聞いた上でこの
「ま、待て待て。お前は首領の
問題を
「なるほど。そんな事が」
呉用も
「けど兄さんもう平気だよ。良い事を思いついたから」
「お前が移住してくるのは俺も嬉しいが、それは首領の悩みの解決には……」
「兄さん、僕がどこに移住するって?」
「? ここだろ? 自分で言ったじゃないか」
「ここ?」
「お前大丈夫か? 梁山泊に移住するんだろ?」
だが朱富は心からの笑みを見せて言う。
「違うよ兄さん。僕が移住するのは梁山泊の
「! そうか。『梁山泊の
「!?」
呉用が
現状では
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます