第十回 王倫の開眼
「お
「今のまま
と答えた。
「それでどうなっている?」
その問いには
「はい、首領の言葉は伝えましたがやはり手下達の中には
「まぁ多少の動揺は予想していたが…… 念の為聞くがお前達はどう伝えたのだ?」
王倫が口に茶を運ぶ。杜遷と宋万が息をあわせたように
「ぶふふーっ!?」
「わあっ!」
茶を
「それではいきなりお前達はいらないと
「いいか。
副頭目達は目を丸くしている。
(そう。なぜ私は今までこんな事にも気付かず
王倫は軽くため息をつきその続きを話す。
「故に今しばらく『
もちろん獲物を増やす
「だが山賊行為をしないだけでは手下を遊ばせてしまうだけなのでそれでは時間が
朱貴はなるほどといった表情をしている。
「あの、お頭?」
宋万だ。
「なんだ宋万」
「手下を減らしたくないんですよね?」
「? そうだ」
「なのに
「何? 用意……? ああ、違う。お前の言う餞別とは……」
だがその続きは朱貴が言った。
「宋万。首領の言っているのは選んで分ける方の選別だ。その程度で話の
「う…… す、すみませんお頭」
宋万が
(……ああ、
「くっくっく」
王倫は
「!? 首領?」
「かまわんぞ宋万。分からない事や疑問に感じた事は
「「「!?」」」
副頭目達の目が
「よいか。お前達には今まで以上に働いてもらわねばならないし、時には実力以上の事を求められる時もあるだろう。私も出来る事には力を
三人と
「「「は、はい! お任せを!」」」
朱貴、杜遷、宋万は王倫の意識が確実に変化している事を感じていた。
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