第六回 変化の兆し
「せ、先生方は一体何が
「ふふふ…… では
振ってきたのは
「それはもちろん何手も先を読める
王倫にしてみれば老氏と若氏の二人はそこが優れているから対局しても
「ちなみに王倫殿が
「……は? え? 素直? 私が?」
そんな事を言われたのは初めてだと
「素直も素直よ。たまに面白い手を打ってもくる所もまた良し」
「は、はぁ……」
どうも調子が狂わされると王倫が
「
「え、えええ!?」
「
「あー…… まぁ治したい部分であるとは思っているのですが……」
王倫も心当たりがあるのか汗を
「いやいやあくまで碁の話でな? 相手が嫌がる所に打つのが儂らの碁。自分の打ちたい所に打とうとするのが王倫殿の碁。その違いじゃな。素直に行くから読まれ
「!?」
「王倫殿、碁を通じその者の裏を探れる様になりなされ。表面通りに受け取っては
「!!」
王倫もこの二人が遠回しに自分に何かを伝えようとしている事に気がついた。
(いや、何かに気がつかせたいのだな)
「……王倫殿、王倫殿の
これが他の人間に言われたのなら
「この王倫。先生方のご
王倫は二人に感謝の意を示し、その日自分の部屋で考えこんだ。
~翌日~
王倫は届いた酒を
「先生方、お約束のものお持ちしましたぞ」
二人は振り向く。
「おお、楽しみにしておりました。……おや王倫殿、今日は腰に刀を差していないのですな」
「ええ。昨日あれから
「ほう。なぜかお聞きしても?」
「ここは
「ふむ」
「仲間に
「なるほど。良いお考えだと思います」
若氏は
「ほう、
「いや、何事に対しても私が
「……そうでもありませんぞ。梁山泊を
「ははは、また気の話ですか。私はそういうのは分からな……」
彼はまだ二人を
(先生方ならば
こう思い
「実は聞いてもらいたい話があるのですが」
自分が夢の中で何度も殺されている事を打ち明けた。
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