第九十五回 光明
周囲に多数の気配を感じた時には遅かった。近くの
「しまった。
「お前達ここで何をしている! 怪しい奴等め」
お約束の
朱武達は
彼の身元が明かされれば
(さて……自分の
戴宗は手紙を使いここを乗り切る方法がないか考えていた。
「答えられないのか!」
数がいるので男達も強気だ。とその時。ギギイと音を立てて男達が出てきた門が再び開いた。
「お見送りはここまでで結構でございます」
「ではまたお会いできる時を楽しみにしていますぞ」
見送る者が一人、見送られる者が三人、開いた門から出てくる。そして門の前では騒動が。
「ご主人様! 今出てこられるのは危険です!」
「な、
ここで初めて屋敷の四人と朱武達五人が顔を見合わせた。
(((あ……)))
同時に固まった男が三人。戴宗と
「この見るからに怪しい者達が屋敷の周りで何事か
「べ、別に私達は何も……」
孔明達が今では
「あ、あー。騒がしてしまい申し訳ありません。その者達は実は私の連れでして……中々戻らぬ私を心配して迎えに来てくれたのでしょう」
孔明は戴宗に近づいて言う。
「お前達は風体が怪しいのだからここまでは来なくて良いと言っておいただろう」
「す、すいません」
朱武達は何が起きているのかよく分からないまま見守っている。この孔明と戴宗が皆の注意を引き付けている間に孔亮が宿元景に何やら耳打ちしていた。
「全くお前達まで一緒になって!」
「み、皆も謝るんだ、ほ、ほら!」
「え? あ、あー。なんだか申し訳なかったです」
とりあえず朱武達も戴宗の
「まぁまぁ。誤解が解けて良かった。
事態を理解した宿元景が話をまとめ救いの手を出してくれたので戴宗、孔明、孔亮はひとまず胸をなでおろす。
宿元景の部屋は
「いやぁ
「戴宗殿。何をしていたかは後で聞くとしてこちらは
皆宿元景を紹介されて驚く。まぁ本来なら簡単に会えるような人物ではないから無理もない。しかしそれだけではなく自分達を
「宿元景です。孔明殿達とは……おや?」
宿元景の目が見開かれる。
「貴殿はまさか……
「……ご
二人は特別親しいという
「
蔡京や高俅を良く思っていない宿元景は王進にとって数少ない理解者となる。そして彼等はお互いの状況を説明しあった。
そして史進救出の為困っている少華山の面々。梁山泊に向かう予定だった王進。中央に顔が
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