第九十四回 尾行
高俅は
この王昇は王進の父であり、高俅が皇帝に気に入られ出世を果たした時には
命の危険をも感じた王進は
彼等は人通りの少ない道を選んで進んでいたが、それは決して
よく見れば周囲の
「しかしここまで来ても
「……朱武殿、そこを右に
朱武達が右に曲がり見えなくなると『その男』も足を早め同じ所を曲がろうとする。
「う! いない?」
だがすぐ左右の物陰から朱武と
「我々に何か用でもおありかな?」
背後にも気配がする。王進と
(なるほど建物に
「さぁ、
朱武が言い全員がじりじりと間合いを詰めてくる。
「……お主、料理屋にいた顔だな」
王進が顔を覚えていた。
その確信が彼に
「いえね、あなた方が史進って人とどういう関係なのか気になりましてね」
「「「「!!」」」」
やはりこの場の共通点は史進という名前だった。
(!? やばい!)
戴宗から余裕の表情が消えた。それは王進。彼の出す
「
「何?
朱武の言葉と同時に放たれていた殺気が静まっていく。どうやら
「あっしは戴宗。江州の
「おお、これは失礼を。私は少華山の朱武。こっちは同じく陳達と楊春。彼は史進殿の師匠、王進殿です」
戴宗は驚いた。
「王進? 禁軍武術師範の?」
「ええ。追われていますので大きな声では言えませんが」
「そりゃそうでしょう。
朱武との会話だったが林冲の名前を出した
「
「まぁ……知らない仲ではないですよ。一緒に旅した事もありますし」
「ほう。それで彼は今どこに? 元気でやってますかな?」
「(
「りょ、梁山泊!?」
王進の食い付きがさらに良くなり話が
「貴殿は梁山泊とも
(腕の良い医者?
戴宗はどう返答したものか考えるが、それ以前に怪しい
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