第三十一回 梁山泊の違和感
周囲に重く鳴り
「こ、これは……」
「で、出やがったな
「待て!」
「梁山泊の方達に申し上げる! 私は
太鼓が鳴り響く中でそれを打ち消すかの様にあげた大声に劉唐達がつんのめる。
「な、なんて大声出しやがるんですか
「
と
杜遷達と
「しばしこちらでお待ち下さい。
「よろしくお願いします」
部屋には晁蓋達だけが残される。
「なんでぇ
晁蓋達もこの阮兄弟から聞いた梁山泊のやり口などから王倫の人となりを想像していたので、
「最近梁山泊の首領が交代したとかそういう話を聞いた事は?」
案内役を見送ってそのまま外を見ていた晁蓋が振り返って言う。だがそんな話は知らないと阮小二は答える。そもそも王倫殿に会いたいと言ってここに案内されているのだから別の誰かに交代したとは考えられない。
「かなりの
呉用だ。どうやら晁蓋と呉用には何か思う所があるらしい。
「副頭目達の武芸の腕前も大した事はなさそうでしたしお二人の考え過ぎでは? あの三人なら俺が一人で
「
「晁天王のものになるのも時間の問題ですって。
「そんな簡単な話ではない」
晁蓋は困り顔だ。呉用が口を
「その頭が慎重過ぎるし賊と思えぬ統率も気になる。もし話に聞いた梁山泊として
「また先生の
「
呉用は一言も口をきかなくなった公孫勝の意見を聞こうとした。
「……ワシはワシなりの違和感を感じておりますが……どうやら説明する時間はなさそうですな」
「お待たせしました。首領がお会いになるそうです。武器をここで置いていただき、代表の方『三名』をお連れいたします」
呼びに来た宋万が
「三人だけ、ですか?」
呉用はハッとした。武器を
(だが! だがそれよりもこれらの意味するところは!)
呉用は晁蓋一行の中で
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