第七十一回 呉用の大計
「ここまでは無事に来れたな
「うむ。すぐに帰っては来ぬだろうから時間はまだある。その間に目的の物を手に入れてしまおう」
呉用のその言葉を
「よし、孔明と孔亮も探してくれ。お前達二人は私達がそれを見つけ
もう二人……
「時文彬殿らが戻らぬ内に終わらせてしまうぞ。急げ」
呉用達は『時文彬の
「本気か学究?」
公孫勝は
王倫と姫君達が芝居見物に行く。
「もちろんだ
鄭天寿にはその
「なるべく金を
呉用は周囲の五人の顔を
「これから私の
「して学究。この
「……
「時文彬殿に
「そうだ孔亮。それが目的のひとつ。我々はその間に時文彬殿の執務室に忍び込む」
「!?」
皆驚いた表情になるが突然こんな事を言い出されては無理もない。
「な、何の為にですか?」
孔明の声は震えている。もし見つかればただで済むような事ではないからだ。それどころか今までの信頼関係が
「彼の不正の証拠でも見つけて弱みでも
蕭譲が質問する。が、呉用は首を振って
「いや、彼は
「では何を……」
呉用は皆に見えるように紙を広げる。それはこの国全体の大まかな地図。
「その昔、
地図の一点を指で示す。
「そしてさらに
同じように蜀のあった
「お主まさか首領に天下でも
「いやいや。
それは皆も同じ意見だった。
「問題はこの平穏の
「どういう事だ学究」
「いえ、待って下さい」
会話を止めたのは孔明だ。孔明は呉用が持ち出した劉邦と劉備の話題が気になっていた。
「……劉邦が今の
「あ、そういうことか兄貴」
孔亮もすぐさま理解したように同意する。呉用は
「お前達二人を呼んだのはその成長を見込んでの事。私の
公孫勝、蕭譲、金大堅の視線が二人に集まる。
(あ……もしかして)
孔亮が何かに気付いた。孔明がゆっくり自分の考えを
「ええと……劉邦と劉備は特に大事な部分ではなくて、
まだ始まったばかりの劉邦の頃を今の梁山泊。この
「ふむ。
それには孔亮が
「さっき気がついたのですが、
そこからは呉用が続けた。
「よしよし。そもそもこの国が
地図上の梁山泊を指で示したあと、
「そこで
梁山泊、青州を
「その為に時文彬殿にはもっと
呉用は胸の内にある
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