第七十二回 強襲する白秀英
「たまにはこういうのも良いものですね。
「……むふー」
「よかった」
「ふーむ。分かっているのかいないのか」
「お二人はとても
「りんまーま!」
「りーまー!」
「……ぐすっ」
「うん?」
王倫が
「
「いえいえ王倫殿。それはこちらも同じ事。どうですか? 良い
「お
時文彬の
「? 王倫様。すごい勢いで女性がこちらにやってきますが……」
「ばーば、こっち」
「……こっち」
「ど、どうしたのだ二人とも」
桃香と瓢姫が王倫を引っ張り鄭天寿から離れさせた。
「王倫様!
鄭天寿の両手を取りしなをつくり色っぽい目線を送る白秀英。いきなりの出来事に周囲の者は置いてきぼりだ。
白秀英は鄭天寿の手を離さぬまま言葉を続ける。
「知事の時文彬様と
鄭天寿は突然の事に何も言えずに
「観劇されて感激ですってか?」
「ええと? こちらの
「髭ってか。髭ならこっちの
雷横はぶっきらぼうに
「あら、ほんと。こちらのお髭の
「ちょ、ちょろ髭!?」
雷横の赤い顔がますます赤くなったように見える。朱仝が心配して声をかけた。
「雷横、おさえろ」
「はん、俺様は平気よ。いまいち意味のわからん劇だったが、この後『王倫様』と一緒に食事に行けるからなぁ。『王倫様』と」
雷横は
「ま、まあ! ……王倫様? この白秀英も
「あ、いえ、私は王倫様では……」
泣きそうになりながら否定しようとする鄭天寿に王倫が
「お、王倫様! 時文彬様とのご予約の時間もすぐですし早く参りましょうか。皆もお腹を
「ごはんー!」
瓢姫もコクコクと
「そうですなぁ王倫様お付きの『鄭天寿』殿。ささ、時文彬様もお早く。『
(!? 雷横め。さっき女に言われた事を根に持っているではないか……)
朱仝は
「……
走り出した
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