第四十五回 天の宝と羅真人
目が覚めた
「キャッキャッ」
「あーうー」
そこには南斗聖君に言われた通り
周囲が明るくなると赤ちゃんのいる小屋には話を聞きつけた頭目達がひっきりなしに訪れた。王倫は彼女達の世話を
桃の木の下に居た子を『
それは
「ほう。これが噂の姫君達ですな。……確かに特別な力を感じます」
「公孫勝殿には分かりますか」
「ワシはこれでも
公孫勝は興奮して王倫に語る。
「一清よ、
「「わわわ!?」」
彼の隣には見知らぬ老人が立っていた。
「これはお師匠様!
「
「これはご
羅真人は王倫をじっと見る。そして近付き王倫にだけ聞こえるように言った。
「なるほど
「!!!」
王倫は
「こ、公孫勝殿! 師匠様は
「ほう。首領にも分かりますか?」
公孫勝は気を良くするが、その師匠羅真人はご機嫌ではしゃいでいる桃香と瓢姫を見ている。
「これ一清よ。この子達をどう見る」
師匠に問われ弟子の公孫勝が姿勢を正して答えた。
「はい。
それを聞いた羅真人はため息をつく。
「なるほどのう。一清はまだまだ修行が足りておらぬようじゃ」
続けて羅真人の見立てを言う。
「儂に近い存在などととんでもない。儂は
「な、なんと!? 仙人の子でしたか?」
「その様子ではこの地を
「良い気が
「『良い気』ではなく『加護』じゃろうな。この子らの
王倫は心の中で驚きっぱなしだ。王倫しか知らぬ事を言い当てるどころか、状況によっては本人より詳しい内容を見通している。
「やれやれ。お主、
「あー……そんなつもりはありませんでしたがそう言われると……」
公孫勝が返答に
「彼には梁山泊の事で大変お世話になっておりますからそうだとするなら私のせいでしょう。それよりも羅真人殿。
公孫勝は非常に良い考えだとは思ったが、羅真人は
「首領。残念ですがお師匠様は……」
「ふむ。悪い話ではありませんな」
「え!? お受けなさるのですか?」
公孫勝はまさかの展開に驚愕する。
「ですがまだ
羅真人は王倫と約束を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます