第百三回 とある富豪の御曹司
「ご報告! 前方に
その存在が七百名程の少華山の賊、という以外何も問題はないはずだった。やむなく進軍を停止し、方針を考えるとともに様子を探らせる手を打つ。
「もう少しで蔡州だというのに一体どういう事だろう。この先で何かあったのだろうか?」
史進が口にすると朱武が意見を言う。
「さて。まずは様子を見に行かせた者が情報を持ち帰らねばなんとも言えません。ここは
一同は
(聞煥章殿絡みでなければ良いのだが……)
幸い孔亮の
「どうやら
再び相談の場を
「この先にある街の
「あー。なら向こうには
「違いない」
楊春が笑いながら言うと朱武も
「な、何? 俺ならここにいるではないか」
「あれは史進殿に出会う直前の事にござる」
少華山の陳達には史進のいる
「そう言われると状況が似ているな。いいだろう、なら俺が今から行って話をまとめてこようじゃないか」
史進がどんと胸を叩く。
「こちらに
「私としてはこれ以上迂回して時間をかけたくはない。なので自信があるなら史進に任せたいと思うが……」
王進は史進に忠告する。
「よいか史進。決して血気にはやるような真似をせぬようにな?」
「大丈夫です師匠。それに万が一になっても私は
言うが早いか史進は馬に乗って飛び出していってしまった。
「あ、待て。まだ話は! ……私は弟子の心の修行を
王進が
「史進殿は昔からあんな感じでしたよ」
まぁ、王進が史進に武芸の手ほどきをした期間も短いので
史進は街の閉められている
「やあやあ! 我こそは
史進自身は
「ほう。良い
史進はその
「この
「何を
史進は目的を伝える。相手も史進達を少華山の賊と
「賊の言う事をはいそうですかと
山士奇は
「おもしれぇ! わからず屋には直接身体に教えてやるぜ!」
史進も
敵も味方もその様子は
史進と山士奇は五合打ち合って相手の実力に驚かされていた。
(あの重さの
(三尖刀がまるで手足のようだ!)
((こんな使い手がいたのか。この男、強い!))
二人の
「なぜとめます。このままでは史進殿が無茶をしてしまいますぞ。何かあってからでは……」
「いや、朱武殿。やはり銅鑼の出番は必要ありません。史進は
王進は史進の戦い方からそう判断していたのだ。それを
「あ、待て逃げるのか!」
「何を言う。言ったではないか。我等は財を奪うつもりなどないと! 分かってもらえるまで何度でも通うさ。明日また来る。ではな山士奇殿!」
さっきまで命のやりとりをしていたはずの男が、まるで友と別れるかのような軽い調子で
(九紋竜の……史進)
だがその
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