第百二十回 軍事と内政
白虎山から加わった学者の
「許貫忠殿。魚鱗の陣とは魚の
「いかにも。鶴翼の陣は鳥の
「はい。しかし首領の一言がこれを改良できるきっかけとなったのですよ」
「なんとおっしゃったのですか?」
「魚には鱗。鳥には翼よりもまず全身に羽があるものなのにそれがないとはまるで調理される直前のようだな。と」
「!?」
結果、梁山泊の戦い方に大きな変化が起きたのだ。王倫はまず味方に
機動性と言っても騎兵という訳ではない。事実青州で戦果をあげた部隊構成はほとんどが歩兵だ。王倫は彼らの為に普通より少し長い槍と色分けされた布を用意した。
一人の大将が約五百の手勢を率い、更に戦いにおいては二人一組で相手の兵一人に当たらせる。これは戦場だと一人で四人と
さらに朱武は王倫の言った羽の部分を考え、鶴翼の陣形を前陣六組の三千と後陣六組の三千に分け、状況によって前陣と後陣を別々に入れ替える指示まで出していた。
そして総大将の
晁蓋は
この経験により晁蓋は総大将と大将の違いを感じとり、自身で無理な戦いはしないように心掛けるようになった。王倫が遠征に出る事はない。ならば
これはやや怒りっぽいところがあった彼の品格を磨き、
これらの経緯を知り、見たことのない道具や食べたことのない料理に触れた許貫忠。この地から発生した概念にも気付き更なる可能性をも見出だす。
「……色んな面での文化の花が咲き誇るのを見れるのかも知れぬ。
概念を花に例えた許貫忠はこの地に骨を埋める決意をしたという。
そんな状況であるから梁山泊だけでなく
※楽和
あだ名は
この楽和。登州で
「な、なんだいこりゃあ? 思ってたのと全然違うじゃないか!
初めてきた者でこの地の活気に驚かない者はいない。それは村のはずなのにまるで都にいるような錯覚さえ覚えさせる。行き交う人々は皆笑顔で通りには色んな店が
「へへっ。運が向いてきたかもしれないな」
楽和は鼻歌混じりにあちこち王家村を見て回った。……夢を抱いて登州から出てきた彼はこの
そして別の地域からは
不特定多数の者が一気に増えると
梁山泊は確かに平穏であり繁栄もしていたが、こうした影での努力も怠らないように
孫安は助けられた恩義を返すため学者の許貫忠、友人の
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