第九回 北斗聖君と南斗聖君
王倫はただひれ
「王倫よ、顔を上げよ」
「は、はい!
北斗星君は
「王倫、ここを見るのだ」
「は、ははっ」
王倫が碁盤に近付きそれに目を走らせるとすぐに自分の名らしき文字に
「王倫……
声に出して
「左様。お主の
「え……」
王倫の
「ここまできたのだから
「!! は、はい!」
そして北斗星君と南斗星君の二人は王倫の前に姿を現したいきさつと目的を話し出した。
そもそも北斗星君と南斗星君は神である。神である二人からすれば人の一生など
だがある時この二人の
この祈りの『
「……と、いう訳でな。決められたものを新たに消して書き直すような
北斗星君はどこからか
三十一が五十一に見えるようになっていた。
「よいか、これでお主はあと二十年生きられる。ただし何があっても必ず五十一まで生きられる訳ではない」
「
南斗星君が説明を
「そ、それでは今回の
「やはりお主は
「……つまり本来は五十一で死ぬのだから、それまでに起きる
「面白い考え方だな。うむ。その
北斗星君から
「北斗星君は厳しく言っていますが、
南斗星君が笑いながら言う。
「お、おそれながらひとつよろしいでしょうか。……そんな
「……いずれ知るだろうが今は言えぬ。さる者達からの『
「すでに
(陳情…… ? 賄賂…… ?)
残念ながら今の王倫にはどちらもよく理解できなかった。
「まぁ、お主の優しさが自分自身を救ったのだと理解しておけ。それと…… 対局した碁は楽しかったぞ」
「『次』に会う時には腕前が上がっている事を期待しておきますから」
ではいよいよ別れだと来た時と同じように二人は天へとのぼっていく。
王倫は二人が消えゆく
(いいですか。迷った時には心を
という言葉を南斗星君から。
(もし
この言葉を北斗星君から投げかけられ、押し寄せる感動のあまりその場に突っ伏して
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます