第九十九回 怪しい者達
「お師匠様大変です。先程妙な気を感じました」
羅真人は目を開ける事なく答える。
「……
「ではやはり?」
「……」
「果たしてこれは誰への
「すぐに」
その頃、この日の
(一体どこへ向かうのかしら。あの男達、王倫様の知り合いという訳ではなさそうね……)
彼女は
……なので彼女もまた、自分が尾行されている事に全く気付かないでいたのである。
「
瓢姫が王倫のそばに居る理由。もちろん大好きだからという意味はあるがそれだけではない。現在では護衛の目的も彼女なりに抱いていた。そしてそんな彼女は真っ先に尾行している男達にも気付いていたのである。
結構な人数がいるときかされ鄭天寿は不安そうだった。瓢姫が腕が立つのは知っているがなにせ三人とも
「……王倫だな?」
男の一人が問いかけてくる。男達は皆同じ様な
瓢姫は王倫と鄭天寿の前に立ち、鄭天寿はもしもの時は梁山泊に必要な王倫を守るためその身を盾にする覚悟だ。
「へへっ、一緒に来てもらおうか。それが嫌ならここで死んでもらう事になるが」
王倫と鄭天寿は気付いた。奴等の視線……それは鄭天寿に集中している事に。
(奴等は私を王倫様だと思っているのか!)
男達は全員剣を抜いて
「わ、私に用があるのだな? いいだろう。だがこの二人には手を出さないでもらいたい」
勇気を
「王倫が来てくれるなら他の二人には用はない」
「そうか、なら」
「そっちの男には死んでもらってそこの女には俺達の相手をしてもらおうか」
「な、なんだと?」
周囲の男達から
「お待ちなさい!」
そんな声と共に一人の人物が茂みから飛び出てきて男達の前に立ち
「……貂蝉のお姉ちゃん」
瓢姫がぽつりと言う。それは白秀英。想いを寄せる王倫(鄭天寿)と、顔見知りになった瓢姫が
芝居用の小道具玉錘を男達に向け言い放つ。
「この玉錘の
瓢姫は白秀英の
「行きがけの
瓢姫は首を
「俺、最初にこの姉ちゃんな!」
「ひっ!」
『ジャーン! ジャーン!』
だがその瞬間、周囲から
茂みから一人の男が出てくる。緑色の
「……げえっ
なぜか瓢姫が
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