第六十八回 朱貴の受難
「祝朝奉様、お
「いやいやこちらも
「
祝朝奉は祝家荘の
祝三兄弟などは父の
祝家荘を訪れた者達はまさに梁山泊の賊なので
梁山泊の皆の視線が朱貴に集中する。
「あ、あー……も、申し出は大変有難いのですが実は我等の村長も
「ほう! 討伐する気なのですか?」
「あ、いやまだそうではなく……」
朱貴はしどろもどろだ。目が完全に泳いでいる。
「我等はもはや
「うー……あー……さ、
朱貴は心の中で助けて首領と何度も叫ぶ。
(こんな時でも首領なら上手く丸め込む理由をすぐに思いつくだろうに……)
「ま、丸め込む……」
彼が
「丸め込む? まさか賊を丸め込む気でおられるのか?」
「!! そ、そう! そのまさかなのでございます!」
祝朝奉の言葉できっかけを
王家村の長は頭が切れるので、まずは賊に従う振りをして
裏では楊志をはじめ腕の立つ者を
「と、いう訳なので討伐に頼るのはまだ
この頃になると最初は心配そうにしていた他五名も感心したように
「そのような
朱貴は上手くいったと
「そんな
のも
(
「おおう……きょ、きょうは厄日だ」
朱貴は泣きそうな気分で再び無意識に呟いてしまった。
「なるほど。ではその
「え? あ、はい」
なぜか訳も分からず解放された朱貴。これ幸いにとそのまま話を切り上げ祝家荘を後にした。後で仲間から
「多分おうきょうって名前だと
と
「王家村の長は男かと思ったが女性なのかもしれぬなぁ。王きょうきょうという名とは」
「女だと期待したら男なのかもよ親父殿。女の名前なのに……なんだ男かってね」
あらぬ
「しかし
「……そうだな。だがこれが
「え?」
「私には
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