第十五回 青面獣楊志
しかし
王倫はこれを機に山寨内での
だがこれの
そして山寨全体を見た時、武に長けた者や練兵に通じる頭目がいない為、その人材を見つけるのに協力してほしいと王倫から頼まれたのが林冲だったという訳だ。杜遷の
ひとつは林冲が得意の
王倫が言うには林冲の持つ運が見てみたいので出会えれば
宋万に見守られる中、今日で三日目。今までに二人ほど武芸者と思える者に勝負を
「さすが禁軍の
「いやはや自分の運の無さが申し訳ない」
「まぁまぁ。別に必ず見つけなければいけない訳でもないんですから」
宋万は気楽に気長に待ちましょうと
「お頭には何か考えがあるとは」
「……おしずかに」
林冲が告げると宋万も押し黙る。目線の先には
「宋万殿、
林冲は布で顔を
「お頭! お頭!」
「なんだ宋万。目付けはどうした」
「してますよ! それより居たんです! すごい勝負になってます! あのままじゃ本当にどっちかが死んじまいます!」
「な、何!?」
王倫は
「達人同士の戦いとはこれほどか」
「ど、どうしますお頭?」
「うん? あの男の顔、まさか」
王倫は男の顔を見た
「あ!? お、お頭ぁ!?」
「待たれよ! 二人共待たれよ! その勝負そこまで!」
王倫が止めに入ってきたので林冲が動きをとめると男も動きをとめる。が、
「この者は私の命で動いていただけ。大変失礼を
「青面獣の楊志! 通りで……」
林冲が驚く。
※青面獣楊志。
顔に巨大な
「いかにも。俺は楊志だ」
「やはり。……いやはや腕の立つ武芸者を探していたのですがとんだ
「梁山泊? ……
「いかにも。そして貴方と好勝負を
王倫に紹介されて林冲は顔を
「林冲? まさか
「そのまさかで今は故あって私の所に身を寄せております」
「……これは。俺の方が驚いたぞ。通りで強いはずだ」
「いやいや、
「何を言われる。噂ならば林冲殿の方が。
先程まで
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