第四十七回 逃亡者
その日、
朝早くからの行動であったが、王倫は出かける前に
準備が出来た彼は今度は
「まだ言葉も分からないはずなんですけど、やっぱり特別だからなんですかねぇ? ウチの子の時には……」
という様な事を言っていた。
「いい子すぎて林冲様と白勝さんとこの奥さんにはいい
けたけたと笑っていた事も思い出す。
(
そんな事を考えていると待ち合わせの船着場に到着した。林冲も楊志もまだ来ていないようだ。
「お? 王倫様じゃないですか。おはようございます」
声をかけてきたのは阮三兄弟だ。
「早いな三人共。いつも感謝しておるぞ」
「何言ってんですか! 感謝してるのは俺達ですって」
「ほんとほんと。こんな
「へへへ、働きがいがあるってもんでさぁ」
三人は
「それを聞くと私もやってきて良かったと思える。これからも
「ははは。あいつにも良く言われますよ。王倫様は
「前の村では
「ここに来てからはこの調子であてられてるんですよ」
「お、お前ら
三人は
「今度は俺達とも釣りをしましょう。
こう
「
「すまん
「……見ておったのか」
林冲と楊志が
「ははは。気にするな。待つのも中々楽しかった」
「義兄上、楊志よ。妻が皆で食べて欲しいと料理を作ってくれましてな」
「お」
「ほほう。では適当な時間に
三人は
「おぉ?
「これは負けておれん。武芸は
「義兄上には
三人はしばし釣りに
「
「奥方殿も桃香と瓢姫の世話までしてもらっておるというのに食事まで用意させて。申し訳なかったな」
「何を言われるのですか義兄上。あいつも喜んでやっておりましたから。妻も私も義兄上には感謝しているのです」
「俺もだぞ王倫の義兄。ここは本当にいい所だ」
「楊志の言う通りです。義兄上に救われてからの妻の
その話を王倫は
「よいよい。朝から皆に持ち上げられすぎて
(それに私が変われたのは
王倫自身もまた感謝の思いを二人の神に
釣りを終わらせ船着場に戻った三人。そこでは一人の男が手下達に遮られて
同じ
「王倫殿に会わせてくれよ! 人を殺しちまって行く所がないんだ!
「だから
その
「開封府の……牛二だと?」
晁蓋達の方は
「な、なんだと!?
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