第13話 臨海副都心
湾岸道路はオーバーパスがないくらいで思ったよりは変わらなかったが、臨海副都心はかなり違っていた。
ところで臨海副都心という言葉はいつから出始めたのかは知らないし、どこからどこまでが臨海副都心なのかは置いて、都心東南部に在住の人はそれなりに利用したことがあろうライコランド東雲は2004年にオープンしたので当然存在しない。
「休める場所が無いけど浦安を過ぎたらすっかりがらがらなのね。そりゃ事実上行き止まりだしね。」
高速は湾岸線があるので大井・羽田方面に抜けられるが、一般道は台場止まりだからだ。台場という名もこの時代は13号地という名前で埋め立て番地で呼ばれており、フジテレビなどがある場所がそこである。
到着してあまりの建物の無さに綾は驚いたが、船の科学館だけはすでに存在していたのでこのあたりで休憩することにした。事前にサーモボトルにコーヒーを入れて来たのは正解だった。何も無いからコンビニも無い。何も無いから誰もいないので通って来た道と昭和の地図を比較し始める。
「東雲ライコランドの有った隣の場所って昔はゴルフ場だったのね。そういえば羽田空港も昔は競馬場だったわね。湾岸地域は様変わりの仕方が半端ないわ…」
蛇足だが昭和の羽田空港は旧整備場駅のすぐ横だったので空港も大分海側に移動しているし、さらに昔は穴守稲荷を中心とした村だった。
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