第50話 伊豆箱根鉄道軌道線
昨日から気になっていた伊豆箱根鉄道軌道線。昭和37年でも沼津側はすでに運行されてしなかったが、これは前述したとおり、1961年の集中豪雨で黄瀬川の橋が流されて沼津側はバスでの代替運行となったまま廃線になってしまったのだが、軌道自体は残ってるのでこれを辿ることにしてみた。
大手町の交差点を三島側、すなわち駅からだと左に曲がって国道1号線を走る。東下石田の交差点で軌道線は国道1号線から外れる。ここからは未舗装の狭い道路の端を路盤が走っている。その先を行けば黄瀬川橋に出るわけだが、何でこんな狭くて未舗装路に路面電車が走ってるんだ?と綾は疑問に思うのだが、こここそが旧東海道で未舗装前に路面電車を通したのもあるが、令和現在で言う旧国道1号線の整備でここだけが取り残された感じのようだ。結局、舗装化や三島バイパスなどの整備で国道1号線との交差問題も浮上して最終的に全線廃線となるのも時間の問題というのがこの昭和37年らしい。
橋は落ちたままなので行き止まり状態になってしまったので、来た道を戻って国道1号線に再び復帰した綾だが、黄瀬川大橋の方は当然ながら川越えをできるのだが、この橋も令和になって大雨で落ちてしまったので黄瀬川の暴れ川っぷりを改めて感じてしまうのである。
再び、軌道線のある旧東海道に戻る。国立病院前から三島広小路まではどうやら営業しているようだ。しかし、砂埃舞う軌道線というのを綾も初めて見た。都電の場合は併用軌道の路盤は基本四角い石を敷き詰めて乗り心地を良くしたもので、最近はアスファルトに直接埋め込まれてることが多いが、まさかの未舗装路に埋まってるだけという予想外の路面電車だった。
「さすがにこれは廃線になるしかない運命を辿りそうよね。旧東海道自体狭いし路面電車がいるから舗装できないとなればそれはもうねー。」
三島広小路までは若干のカーブはあれども三島広小路駅に入る直前まではほぼ直線で旧街道の面影というかそのままの景色と未舗装路をひたすら走る綾。玉井寺で車両交換できる停留所が1か所あるだけの粗末な感じの路面電車だった。やがて、路面電車が来た。都電のような路面電車を想像するとびっくりするほど旧式な車両で集電装置もポール型で、昭和初期くらいに製造された車両であろう。緑色とクリーム色のツートンカラーだった。現在も伊豆箱根鉄道駿豆線で軌道線カラーとして緑色とクリーム色のツートンカラーに塗装された車両が某アニメラッピングされた車両に混ざって地味に走っている。
三島広小路の近くまでくるとだいぶ都会感のある景色になってきた。というか、映画館らしきものが数多くあり三島は娯楽都市なのだというのがよく分かった。現在は面影こそないが、三島広小路周辺に7つも映画館が存在していたようだが、現在は「ジョイランドシネマみしま」1館のみとなっている。
三島広小路を堪能したかったのでここでオートバイを止めて、三島広小路を散策することにした。
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