第101話 真夏の洗車
綾と裕子のスポット巡りツーリングはスポットの成果としては予定の半分、予定外の成果がその分あったという感じ。ツーリングから戻り、綾はアルバイト、裕子はバイク屋「ようこの」でアルバイトというか手伝いをする日々に戻った。復習のようだが裕子は戻るべき時間は令和6年の春であり、令和5年の夏は基本的には裕子として存在してはいけないのだ。
タイムパラドックスで同じ人物が出会うことは重大なアクシデントを生みかねないとSF小説にもあったり、ドッペルゲンガーを見ると死んでしまうというアレだ。
実際のところ陽子さんがいろいろこの事象の正体を知っているのは確かだが、面白がっているのか確かな答えを喋ることはなかったが、一つだけ裕子が最も気にしている、昭和の新潟に滞在していた5年間の裕子の身体的な成長というか加齢に関して陽子さんからは、昭和に行った令和6年の3/22になればわかる。と、気になる回答はもらっていた。
「あ、そういえば週末は市川江戸川花火大会が久しぶりに開催されるから綾ちゃんも呼んでみんなで見ない?」
唐突に陽子さんからの提案があった。夏もいよいよ真っ盛りのようで、そうはいえ暦では彼岸明けはもう秋みたいなもの、海水浴も行きたいな。と裕子は残り半月の盛夏をどう楽しむかを考えながら、綾にも伝えておく。と、引き渡しが近いオートバイの洗車をはじめるのだった。真夏のオートバイの洗車は水を扱う分幾分楽しいが、拭き取りをしっかり行わないと水滴の跡がついてしまいがちだが、店舗での作業なのであらかた洗車が終わり、仕上げは店舗の中で行えばエアコンもあり、直射日光にも当たらないので屋内に作業スペースがあり、屋内保管出来る家が欲しいな。とライダー諸氏も思うところだろうが、裕子と綾が住んでいるシェアハウスはまさにそれが出来るので残り8ヶ月とか言わず、当面借りたままでいたいな。と改めて思うのだった。
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