第55話 草津への道のり
昭和の関越自動車道は三芳から渋川の間は特に大きな違いはないが、しいて言えば令和5年には前橋ICまで3車線だがこの時代は東松山から先は2車線だった。奇しくもスキーブーム真っ盛りの時代に2車線と言うことは冬はもとより、年がら年中休日は渋滞必至と言える感じだがそれ以外は走っている限りは思ったほど変わりはない感じ。特に渋川までの関越自動車道は特に周囲の変化は少な目で走っていて実に単調だ。
「サービスエリアのサービスがあまりサービスしてないくらいなだけであとは思ったほど変わらないのね。」
と言いながら、今の時代には無いサービスエリアには日本道路公団謹製の思ったよりもかなりクオリティの高い高速道路マップという名のちゃんとした道路地図が置かれているので、改めてこの地図で様子を確かめながらサービスエリアのフードコートでホットドックを貪りながら令和との違いを確かめるように見つめていた。
「本当に高速道路に関してはあまり変わりがないわね。。。北関東道と上信越道が全くないくらい?」
地図を見て志賀草津道路を走るには軽井沢ICから鬼押ハイウェイ経由で万座温泉経由で志賀草津道路を通ろうと思ったけど、全然上信越道路が出来てないのでこれは渋川IC一択だったことにルート選択が限定的になる時代なんだなとも感じた。尤も、下道マニアや時間掛けて走りたい人に取っては困ることは渋滞が下道で発生しやすいことくらいなのだろうが、エスケープルートの無い旅はやはりしんどいとは思う。今でこそ、軽井沢に至る碓氷峠越えのルートは上信越道で行けるが藤岡ICから先が開通するのは1993年の春のことで、碓井バイパスも一般国道なのに有料道路だった。
「うーん、渋川からだと草津温泉までどのくらいかかるのかしら?見当もつかないけど温泉には入りたい!」
ということで、新潟には宿インできる時間に行けばいいので思い切って渋川から向かうことにした。
平日、殊に初夏だと混んでる要素があまりないので渋川までは1時間くらいで着いてしまった。ここからはひたすら下道で草津に向かう。高速道路で無料で置いてある地図は思った以上に役立つので、この前の沼津の時のような商業地図を見ても思ったよりも役に立たない。というような時代からは随分と日本の実質経済はリッチになったもんだなぁと思いながら今はすべてネットで見る時代なので物理的にはサービスは低下してる気がする。
などと、考えてるうちに吾妻川沿いを淡々と走ることになるが、適度なワインディングに田舎国道としては最低限備わった道路クオリティは満たしているので思ったよりもスムーズに走ることが中之条までは綾としては予想よりも気に入った国道の一つになったと言える。
その先の吾妻渓谷に入った途端、そのクオリティが一気に落ちる。まるで300番台国道のような酷道な道路になった。この辺りは急峻な地形を縫うようにギリギリの車幅で済ませてるようなので国道158号線のような道路だ。令和現在は八ッ場ダムになっていてこの渓谷を走ることはできないのだが、休日にこのクオリティの道路を通らないと草津に行けないと考えると相当な渋滞ができるのは想像に難くなかった。
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