第14話 東京都港湾局専用線
綾が想像している以上に臨海副都心は荒野と工事現場だけといった荒涼とした景色しか無く、想像以上に何もなかった。
違いすぎてしまうのはよいが、何か無ければ想いを馳せることも出来ないな。と、綾は思いつつ古書店屋で買った地図を開いて眺める。
「昭和50年の地図ならあまり変わらないかと思ったけど湾岸は全然違いすぎるから使い物にならないわね。」
とりあえず、都心に向かうことにした。調べると晴海通りまで戻らないと都心には戻れない。ライコランド東雲が建っている筈の交差点を左折して程なく豊洲に至るが、今はららぽーとや市場など賑わいがある街だが、昭和の豊洲はただの工場地帯だ。
春海橋の横に臨海鉄道=東京都港湾局専用線の晴海橋梁が掛かっている。ディーゼル機関車の轟音が響き渡り、通り過ぎると牽引されてる貨物列車のカント音だけが少し汗ばむ陽気の青空に響き渡る。
越中島貨物駅から晴海埠頭を結ぶ路線でこのころはギリギリ廃線にはなってない。このあたりは今とはかなり様変わりしているが昭和50年から60年代に掛けては大きく変化はしていないようだ。
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