第41話 三島へ
ガスが濃くなる前に国道1号線を三島方面に向かう綾。国道1号線は小田原側は箱根新道が出来たばかりで快適だが、三島方面もまぁまぁ快適な下り。三島側は結構前からもう高速カーブで構成された整備された道路のようであった。
「よかったー。これで旧道だらけで降りるのに苦労したら帰りも大変だしね。」
国道1号線の中でも特に箱根峠~三島までは見通しがよく景色の良い区間だと思う。山中城址の町並みあたりまで下ると肌寒さも無くなり街中迄あと少しといったところだ。このあたりまではもうほとんどが令和の今でも現道で、山中城址の町並みのあたりは最近付け替えが終わって今は旧道になっている。
さすがに国道1号線、この当時だと一級国道という扱いなので特段に整備が早い段階でされた道路なのだなとちょっと安心する綾。が、この先でその安心はあっさり打ち砕かれて、令和現在で存在する三島スカイウォークあたりを過ぎたところで現在では旧道になってる部分をひたすら走ることになる。それでも舗装はされてるし、車幅も言うほど狭くはないが、進み具合が悪くなってきた。それでもこの後の道路と比べれば全然快適であったのは後でわかる話なのだが。
新幹線はまだ出来てないが国道1号線とクロスするあたり、つまり三島市谷田あたりで三島バイパスの工事をしているのが見えた。このまままっすぐバイパスを通り抜けられれば沼津まであっという間なのだけど、まだ出来ていない。
工事している道路を左に見ながらRの狭い右コーナーを曲がると三島の市街にいよいよ入る。街中はいかにも昭和という感じの街並みだ。三嶋大社が右に見えた。5月と言うこともあって、まだまだ日没まで時間はあるので綾は三島で一旦オートバイを止めて、参拝することにした。
三嶋大社は古くから伊豆の国一番の神社として栄えており、家門繁栄や商売繁盛、厄除けのご利益があるとされ、 源頼朝に愛され、源氏の再興を祈願したことでも有名だ。初見の神社なので現在の姿はわからないが、神社はきっと今も昔もさほど変わらないであろう。参拝を終えた綾はオートバイにまたがり三島広小路には向かわずに南下を始める。事前に地図を見ていたので楽しみは明日にすることにしたのもあるがこの先、内浦三津に行くにはそれなりの時間がかかると見込んでいたからだ。二級国道136号線は国道と言えどもこの時代の二級国道は快適路という信用は出来ない。
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