第63話 魚沼スカイライン
魚沼展望台を後にした綾。スカイラインと言う名ばかり林道のような県道を走る。やがて雪も無いのにリフトの乗降口についた。雪が無いと本当に違和感のある景色だが、ここは冬は上越国際スキー場のゲレンデのど真ん中といった場所だ。パノラマクワッドリフト・パノラマ第二リフトに当たる部分でこの魚沼スカイラインを通過することになる。上越国際スキー場に行った御仁ならお気づきと思うがピークの裏側にもゲレンデがあり、上越国際スキー場は比較的広大なスキー場で魚沼展望台の真裏にある当間山1017mが上越国際スキー場の最上部となるのでオートバイでスキー場の景色を巡れるコースでもある。志賀高原~野沢温泉に至る奥志賀林道は野沢温泉のゲレンデを走れるのでここは結構不思議な感覚に浸れるのだが、そこまでゲレンデの中を走るわけでもなく稜線をひたすら走るのでこの先の北部のゲレンデも縦走する感じで進む。
北上すれば北上するほどなんか急峻で且つ痩せ尾根になっていく。栃窪峠から桝形山の間は特にリッジな感じで基本的には片尾根となっているが魚沼平野と十日町盆地を交互に眺望する感じで進んでいく。ちなみに枡形山は六日町ミナミスキー場(令和現在ではムイカスノーリゾート)のゲレンデトップだ。上越国際ではゲレンデの中間点でなだらか気味だが、六日町ミナミはゲレンデトップで十日町側は切り立った斜面になっててゲレンデとして滑れる斜度ではない、八箇峠より北はもはや崖なのでここで魚沼スカイラインの稜線沿いを進むコースは終わるので八箇峠展望台で小休止する。
「ひええ、こんなに狭くて斜度のある道路だったなんて。でもこういう感じのコースは関東にはそうそうないわね。」
関東だと芦ノ湖スカイラインや伊豆スカイラインが稜線沿いをひた走るコースになるがあの緩やかなカーブを想像するとかなりびっくりしてしまうだろう。しいて近いと言えば奥武蔵グリーンラインの顔振峠~刈場坂峠が近いかもしれないが奥武蔵グリーンラインは見晴らしに関しては正直厳しいところがあるが。
いずれにしてもこういった道路は観光道路も兼ねてるのでこれ以上手を加えることはないので災害通行止めにさえならなければ昭和63年も令和5年も大差なく変わらないままを保ってくれていると思う。
魚沼平野を見渡すとここまでくるとさすがに谷川連峰や越後湯沢の街はもう見えなくなり、代わりに八海山や越後駒ケ岳が顔を出してくれる。巨大山塊の越後山脈の真裏は利根川源流なので思った以上に関東は北側に食い込んでいて八海山のすぐ東側にあり越後三山の一つに数えられる中ノ岳のちょっと南の大水上山と丹後山の稜線の間に利根川水源碑が立っている。緯度で言うと六日町駅の緯度とほぼ同じ位置である。などと思慮していた綾だった。ここから北が新潟県としての核心部であろう。
八箇峠から一気に下る。ここの斜度がもはや異常なまでの斜度で首が痛くなるほど下っている。現在は県道に降格されているが国道253号線の八箇トンネルの直下まで一気に下る。国道に出ると結構長大なスノーシェッドに入り急角度で下っていくがここのスノーシェッドは片洞門ではなく全部を覆ったシェッドになっている。相当な積雪と雪崩対策なのだろう。ちなみに蛇足だが作者はこのルートの逆ルートで自転車で登ったことがあるが正直地獄のような登りだった。
「ひー、想像を超える観光道路だったわ。でも走りがいがメチャクチャあったので令和5年に戻った時でもまた来たいな~。」
スノーシェッドを越えると六日町ミナミスキー場に出た。
「ゲレンデトップからボトムまで一気に道路で下るとこんなに急斜面に感じるのね。」
スキー場でスキーをしていると斜度はあまり感じなかったり滑るので必死だったりというよりも雪で斜度感覚がわからなくなる、積雪で斜度が平準化されるというのが実態だろう。無雪期の斜面は想像以上にきつく感じるし実際に場所によっては平準化されてない急角度があるので実際に急勾配の部分があるためだろう。
景色を堪能はしたが前後の走行で必死になっていたので綾は疲弊してしまった。六日町ICから関越道にさっさと乗って、越後川口SAまで一気に走って休憩することにした。
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