続・おバカな妹return

「……真澄」

 目の前に居るのは、俺の妹である佐藤真澄。俺は大学帰りで、疲れた体をソファに投げ出したかったのだが。そのソファを真澄が占拠しているのだ。

「そこ座りたいんだけど……」

「……返事がない、真澄は屍のようだ」

 声を出している時点で屍ではないのだがな。

 真澄はぐで~っとうつ伏せでソファに寝ており、動く気配はまるでない。

「……ザオリク」

 取りあえず蘇生魔法を施してみるが、真澄はピクリとも動かなかった。

「真澄」

「返事がない。真澄は屍のようだ」

 どうやら教会に連れていくしかないようだな。

 諦めた俺は鞄を投げ捨て、真澄がいるのにもかかわらずソファに腰掛ける。

「ぐえ」

 なるべく体重は乗せないようにしているが、男性一人はさすがに重いだろう、蛙が潰されたような声を上げた。

「…………」

 それでもなお動かない根性だけは認めてやろう。

「……真澄」

「返事がない。真澄は屍のようだ。出来ることなら屍に乗らないでください」

 知らない一文が追加されたようだが、気にしないでおこう。

 さすがに限界が来たのか、真澄は滑り落ちるようにソファから落下した。同時に俺もソファから落ちる。

「真澄」

「……正直すまんかった」

 取りあえず、俺のソファは確保できたようだ。

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