気だるい兄

 たまの休日の昼間。俺はソファに腰をかけながら虚空を眺めていた。

 あ~。何もしないってこんなに素晴らしいことなのか。

 普段から何もしていないに等しい俺ではあるが、いちおう大学に行きバイトをし家事もこなしている。家事は妹と交代制だが。

「……」

 窓の外から差し込む太陽光が温かく。眠気を誘って来る。このまま目を閉じれば寝ることも出来るだろう。

「……」

 何も考えずボーっとしてると、リビングに誰かが入ってきた。まあ家にいるのは後一人なので、誰かなんて分かるんだが。

 真澄はスタスタと歩いて来て俺を一瞥すると、のそのそと覆いかぶさってきた。お腹かが圧迫される。

「真澄」

「何お兄ちゃん?」

「……」

 重いは、女子的には禁句なのだろうか?

「重い?」

 真澄には関係がなかったようだ。

「重い」

「……女の子に言ってはいけないことを」

 正直この対応は面倒臭かった。

「降りてくれないか?」

「真澄は屍のようだ」

 そいきり真澄は動かなくなった。取りあえず擽ってみる。

「……」

 ピクピクと震えだす真澄。やがて耐えられなくなったのか、ゴロリと下に落ちた。

「……へんた~い」

「……」

 取りあえず足蹴にした。

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