新年も田中さんはハッチャケル

「いけませんわ! いけませんわよ真澄! そんなにくっついたらいろいろとほら――いけませんわよ!」

 語彙力が残念なことになっている田中さん。どうやらこの状態が非常にお気に召さなかったようだ。だがそんなこと、うちの妹には関係ないこと。頭に?マークを浮かべている。

「別にいいよね?」

 俺に振るな。問題ないと思うけど。

「駄目です~! 駄目なんです~! 兄妹でそんなはしたないことするなんて、親御さんが認めても私が認めませんわ!」

 いったい君には何の権利があるというのだろうか?

「なので真澄は私が頂いていきますがよろしいですね?」

「何がよろしいのかわからないんだが?」

 相も変わらず話がぶっ飛びまくるなこの子。疲れる。

「う~ん。何が悪いのかわかんないけど。お兄ちゃんと離れる気はないよ?」

 他意はないんだろう。だがそれは別の意味にも取れてしまう。特に彼女のような妄想逞しい子は――。

「お二人は付き合ってるとでも言うのですか!!」

 ほ~らまた面倒になった。

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