お昼御飯のお時間です
雑貨屋さんを見ただけで、お昼の時間になってしまった。
ショッピングモールの中なのでご飯を食べる場所については問題ないとは
思うが、皆考えることは同じなのか、どこもかしこも人で溢れ返っている。30分から1時間はざらに待たされるようで、すぐに食べれるようなお店はなかった。
「どこも混んでますね」
「さすがに時間が時間だからね。どうしようか?」
「鈴木さんがわからないのに、私がわかるとお思いで?」
「そりゃあそうなんだけど……できればお店がよかったからな」
お店意外だとどこかで食べれる場所があるのだろうか?
鈴木さんは少し悩んだ末に「一応行ってみますか」と、ある場所に向けて足を運ぶ。
「どこに行くんですか?」
「田中さんはたぶん一度も利用したことがないようなところ」
本当にどこなのかわからなかったが、それ以上問い詰めはせずに鈴木さんの後ろについていくことにする。
~~~
たどりついて驚愕だった。
「凄い人だかりですね」
「でしょ?」
「なんですかここ?」
「フードコート」
辿り着いた場所は、ところ狭しと並べられたテーブル、その全てに人が座っていて皆思い思いに食事を楽しんでいた。少し見渡しただけでもわかるが、食事のジャンルはバラバラ。ステーキだったりラーメンだったりカレーだったりジャンクフードだったり、バラエティにとんだ料理の数々に、フードコートの空間は様々な臭いが立ち込めている。
壁際には多くの料理店が立ち並んでおり、そこには長かったり短かったりの列が並んでいた。
これは果たして、料理屋さんなのだろうか?
頭の中が疑問でいっぱいになっているところに、ピー! ピー! というけたたましい音が鳴り響く。ビックリして肩が跳ねた。
「なんですか?」
「ああ、料理ができたんだよ?」
「えっ?」
音のする方向を見ると、一人の男性が立ち上がって壁際のステーキ屋さんに向かっていく。行動を見守っていると、行く途中で音は止めて、何かを渡して代わりにご飯を受け取っている。
「あれは?」
「ああやって番号札を渡して料理を受けとるんだ」
「持ってきてくれるんじゃないんですね」
「それをできるほどの人員はいないんだよ。さて、田中さん。何を食べるか決めに行こうか」
「あっ、わかりました」
鈴木さんの後ろを着いていきながら、看板を見てどれを食べたいのか考える。しかしどこも……美味しそうではないかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます