妹の友人

「お兄ちゃん。今日私の友達くるんだ」

 唐突にそう言ったのは、ジャージ姿の真澄だった。学校が終わってさっさと帰ってきたと思ったら、どうやらそう言う理由らしい。

「……ああ」

 しかし真澄の友人か……初めて家に来るな。

「どんな子なんだ?」

 ソファにもたれかけながら真澄に尋ねる。

「う~ん……嫁」

 いつのまに結婚したんだ。

「まあ普通の子だと思うよ?」

「そうか……まああんま煩くするなよ?」

 俺の安眠を妨害されたら溜まったもんじゃないからな。

「うん。まあ勉強するだけだし、大丈夫だと思う」

 真澄が勉強か……珍しいこともあるもんだ。こいつは基本家では勉強しないからな。まあ俺もしないんだけど。

「せいぜい励め。俺はここで寝てる」

「うん。おやすみ。いい夢みろよ」

 だからお前はいくつなんだ。

 すると、インターホンが鳴る。

「あ、来た」

 真澄はパタパタと玄関に向かい、俺は欠伸を一つ。ソファに全体重を預け、寝る体制になった。

「いらっしゃ~い」

「会いに来ましたよ真澄ー!!」

 玄関で叫び声に似た何かを聞いた。

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