買い物をする兄妹
「真澄」
「何、お兄ちゃん」
「その籠に入っているポテチはなんだろうか?」
「プリングスだよ」
「その籠に入っているプリングスはなんだろうか?」
「新味のサーモンカルパッチョ」
「どんな味がするのか試してみたいところはあるが、まだ他の物も買ってないので戻してきなさい」
「え~」
「え~じゃない」
食料品を後回しにして、先に生活雑貨を買おうと、洗剤やらなんやらが纏まっている棚に向かったら、真澄がいつのまにかお菓子を籠に入れていた。
あまりの手の速さに脱帽である。
お金はなるべく節約はしないといけないので、余計なものは極力買わない。ただ来るときにも言った通り、場合による。一応、安いものを選んで買ってはいるので、それなりに節約はできるはずだ。
「これだけ!」
「全部見てからじゃ駄目なのか?」
「他の所回ったら、行って戻ってくる気力がなくなる」
「面倒だもんな」
「だから今なんだよ」
「……いくらだ?」
真澄の背景に花が開いたような雰囲気がでる。
「なんとお買いどく、108円です」
「やっす」
「特売品だった」
「あ~……わかったわかった、認めるよ」
「やったー」
「たく……」
結局、籠の中にお菓子は戻る。洗剤とかを入れて、生活雑貨はだいたい片が付いた。カートを押しながら、そのまま食料品の方に。
「肉と、豆腐と、納豆食べるか?」
「食べる」
「後は卵と……真澄、牛乳なかったはずだから、持って来て」
「はーい」
真澄が乳製品コーナーに行っている間に、どの肉を買うかを決める。元々味付けが施されているものは、それなりに調理は簡単だが、あとのアレンジに幅でないのでなるべく普通のお肉の方がいいかな……豚か鳥か……。
「真澄は豚の方が好きだったよな」
よし。
「お兄ちゃん。牛乳」
「おう。ありがとう」
「今日のご飯なに?」
「どうしようかね……」
今日は俺がメニューを考える日だ。豚肉を使ったメニューとなると、色々と考えられるがどうするべきか。夏だし、手軽にさっぱりだと。
「冷しゃぶかな」
「ごま!」
「はいはい」
確かゴマドレはなかったよな。買い物リストに入れとくか。
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