第45話 学校イチャイチャの代償
ただでさえ言葉による数々の恥ずかしいレベルのイチャイチャの暴露により恥ずかしかったのにも関わらず。
武弥が投下したのは言葉よりも数倍は恥ずかしいブツだった。
すなわち、写真である。
よくよく考えれば、俺たちは普段から4人で一緒にいるわけで。
言い換えれば数え切れないほどこの2人の前で俺たちはイチャイチャしていることになる。
そんなんだから、写真や動画を撮られるというのはしょっちゅうであり、そこを充分に考慮した場合、このような事態になることは明白だったわけd――。
ちょっとまて、今俺は凄い大事なことを思い出したぞ?
写真や動画を撮られた=動画も武弥たちの手元にある。
そして邦彦を黙らせるには生ぬるい証拠では不安が残る→動画も流す?
いや、武弥に限ってそんなことは、……絶対にあるな、コレ。
そこまでたどり着いた俺は、天秤にかける。
邦彦を確実に黙らせて恥ずかしい思いをするか、邦彦が黙るかまではわからないが恥ずかしくならずに済むか。
少なくとも邦彦が黙らないことだけは面倒くさくて避けたいので、俺はすぐさまちとせの耳に口を近づけ。
「おいちとせ、恥ずかしい思いをする覚悟を決めといたほうがいいぞ」
「なんで?」
「考えてみろ、俺たちのイチャイチャをあいつらが記録してるのは写真だけじゃない。動画もだ」
「動画も?」
「そうだ。てことはだぞ、つまり――」
「つまり、私達がイチャイチャしている動画をここで流し始める可能性があるということ?」
「そういうこと。しかもその可能性が高い」
「そっか。じゃあちょっと覚悟を決めなky――」
ちとせが宣言仕掛けたその時。
『政信、はいあ〜ん』
『あ〜ん。……ん、これめっちゃ美味い!この甘味がちょうどいいんだよねぇ〜』
「ふぎゃあぁぁぁぁ!」
「あああぁぁぁ!」
武弥のスマホから突如大音量で流され始めた俺たちの昼食時の光景(日常、ただしあまり人に見られたくはない)が流され始め。
恥ずかしさのあまり、ちとせも俺も揃って悲鳴を上げてしまうのだった。
それから30分もの間。
拷問に近い時間が過ぎ去っていった。
ただひたすら俺たちがイチャイチャしている動画を大音量で垂れ流されるというこの感覚。
正直に言おう。
と〜〜〜っても恥ずかしいのである。
もう本当に途中から何度意識を失いたいと思ったことか。
そのくらい本当に恥ずかしかった。
だが運命は残酷で、たとえ耳をふさごうとも隙間から音声は入ってくる。
最後の1本が流れ終わる頃には。
「はあ、はあ、やっと終わり?」
「ああ、本当にもう終わりにしてくれ」
恥ずかしさのあまり一周回って疲れてしまった俺とちとせだった。
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