第14話 お寺と琵琶湖疏水 その1
俺たちの写真に関する問題で騒いでいるうちに他の人たちは降車しており。
気づいたときにはほぼ全員が降車していた。
それに気づいた俺達は、慌ててカバンをひっつかんで外に出る。
ちょうどお土産物屋さんの目の前にある駐車場の、しかもお店に一番近い区画に停められており。
「自由行動の際にここでお土産を買うことは許します。ただし、今後もお土産を買う機会があるということを忘れないように。それと、帰るのは土曜日になることも頭に入れて買うこと」
とのことだったので。
「時間あったら土産買うか」
「そうね。……でもどうせ今日のホテルは売店使えるんでしょ?」
「今日と明後日は使えるぞ」
「じゃあ最悪ここで買わなくてもなんとかなるね」
「そうだな。……じゃあここは散策優先ってことで」
ホテルでお土産が買えるということもあり、ここでは散策を優先とし、もし時間が余ればお土産を買うことにした。
ただし、最初はバスガイドさんについていく形で、ガイドさんの説明を受けながら主要部を歩き、その後班ごとの自由行動という形になる。
俺たちが降車して程なくしたところで、他クラスの人たちもぞろぞろと降りてき始めた。
同時に、入る準備ができたということで、ガイドさんの後ろに2列でついていくよう指示が出る。
ほとんどのクラスメイトたちが寝ぼけ眼をこする中、思わぬ恥ずかしい目に合い、さらに散策の話までしていた俺たちはすっかり目が覚めており、先頭を行く形になった。
ガイドさんのすぐ後ろではあるが、2列なのをいいことに、俺とちとせ、後ろに武弥と彩希という並びで歩き、その両手は恋人繋ぎ、ちとせに至ってはさらに腕を絡めて上から下までベッタリとくっついて歩く。
当然後ろを見ながら歩くこともあるガイドさんにバレるわけで。
「めっちゃ仲のいいカップルやね。いつから付き合ぉとるん?」
「ええ〜っと、だいたい3ヶ月くらい前ですね。後ろは長いですけど」
「そうなん?もう何年も付き合ぉてるのか思ったで。おふたりさんともめっちゃ仲がええから」
「そうですか……」
「ありがとうございます!私達ってどんな感じに見えます?」
「結婚して何年も経っとんのに新婚さん並みにラブラブしてて、すっごく仲のええおしどり夫婦にしか見えへんわ」
「ホントですか?……ふふ、おしどり夫婦だって」
「嬉しいけど……恥ずかしいね」
「でもそのくらい仲が良いって分かるんだからいいじゃん」
「そうだね。……お、なんか見えてきたぞ」
喋りながら入口を通り、パンフレットを貰って少し行くと。
何やら大きめな建物が見えてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます