第3話 長い道のりもあっという間に その2
公正なるじゃんけんの結果、彩希さん→武弥→俺→ちとせの順で行うことになった。
最初の彩希さんと次の武弥はすぐに1枚抜き取る。
そして俺のターンが回ってきた。
今のところババを持ってる人が誰なのかは分からないが、俺の手の中にはない。
ということは三分の一の確率で武弥が持っていることになる。
端から順番に触れていくと、1枚だけ微妙に目がピクリと動いた。
そこは危険であると判断し、一番無難そうなところのを取る。
無事ババを引き当てることなく、ちとせのターン。
ちとせも俺と同じことをして、また彩希さんへと繋がっていった。
そこから続くこと数十ターンで、ババを引くことなく俺が1位抜けし、続けてちとせが2位抜けする。
その後の武弥と彩希さんはお互いに心理戦を繰り広げていたようだが、大したことのない心理戦だった。
結果、その後わずか数ターンで彩希さんが3位通過することで決着がついた。
「もう一回やろうか」
「その前にご飯食べません?せっかく買ったのにもったいないでしょ」
「しかしなぁ、政信、俺は悔しいんだぞ?」
「心理戦弱いんだししょうがないだろ」
「そういうものか」
「そういうものだよ。ババ抜きって心理戦の要素が強いから。……ご飯食べたらもう一回やるか」
「政信、いいの?」
「今度こそちとせちゃんと政信くんに勝つぞ〜!」
「彩希ちゃん、私に勝ちたいならもっと顔に出さないようにして、人の心読めるようにならないとだよ?」
「さっきは手加減したもん。今度は手加減無しでやるから勝てるよ!」
「その根拠のない自信はやめなって言ってるのに……。ま、そういうことなら受けて立つよ。」
「言ったな〜?後で負けたら謝ってもらうからね?」
「彩希ちゃんもね?」
「いいよ」
女同士でよくわからない話をしているのを尻目に、サンドイッチなどを広げていく俺たち。
と、そこに車内販売が来たのでとあるものを4つ購入。
それは、車内販売のアイス。別名をシンカンセンスゴクカタイアイスという。
蓋を開けてもあまりにも固く、スプーンが一切入らず弾かれる。
そこそこ溶けてこないとスプーンが刺さることすらない。
そんなアイスを、正体を何も知らせずに各々の机に置く。
何も知らずにアイスだ〜、と飛びつくのは目に見えており。
その後がどれだけ楽しいことになるのかが楽しみだ。
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