第14話 第2回復讐準備 6-6

 下に降りてきた俺たちの目に入ってきたもの。

 それは


「スイッターでやってきたってことはあれだな、SNSでの誹謗中傷か」

「そうね。だからアカウントを特定して全部のログを出さないとかしら?」

「ああ。そうすれば削除したコメントも全部出てくるからな」


 かなり真面目に話し合うおじさんとおばさんの姿だった。

 かなり物騒なワードを次々とぶち込んでいるのは気のせいだろう。

 とはいえ、俺たちも必要な話があるわけで。


「パパ、ママ、ちょっと話いい?」

「いいわよ。」

「突然なんだけど、土曜日に遊園地に行ってきてもいい?」

「なんだ、お前たちも同じこと考えてたのか」


 突然のおじさんの返事に戸惑う俺とちとせ。


「パパ、どういうこと?」

「何、お前たちに土曜日に演技でいいからデートに行かせようと思ってな。ついでに千春達にも行かせておけば良い復讐になるだろう」

「どうしてそう思ったんですか?」

「何、政信くんはあいつらの息子だし、ちとせは私達の娘だからな。たとえ演技でもバカップルぷりを見せつけられると思うんだよ」


 ……、うちの親の様子を知ってるから全く反論できない。

 おじさんは更に続ける。


「ちょうど会社で遊園地の招待券をもらってな。4人分もらったから君たち二人で行くといい」

「お姉ちゃんたちもそれで来るの?」

「なわけあるか。あいつらにはちゃんと金払ってもらうよ」


 仮にも実の娘をあいつ呼ばわりとか、相当怒ってらっしゃるなと思いつつ、返答する。


「じゃあ、土曜日は遊園地に行ってきますね」

「ぜひそうしてくれ。私達は家でのんびりすることにするよ」


 すかさずちとせが切り返す。


「どうせ二人っきりになった途端にイチャイチャしだすんでしょ。この歳で姉になるとか、勘弁してよね」

「ちとせ、どうして分かったの?」

「ママの顔見てれば分かるよ。どうせさっきもちょっとイチャイチャしてたんじゃないの?」

「していいんだったらしてたわよ。それとも今からイチャイチャしていいの?」

「年頃の娘の前でいい年こいた大人がイチャイチャしようってよく言えるね。年齢的に見たらパパとママっておっさんとおばさんなんだよ」


 だんだんと込み入った話になってきたのでここらへんでストップをかけることにする。


「ちとせ、だから話をどんどんそらすのはやめてくれ。こっちがついていけないだろ」

「だってこうでもしないとすぐにイチャイチャしだすんだもん」

「分かったから。取り敢えず話を戻していいか?」

「いいよ。遊園地に行く話だったよね?」

「そう。おじさん、遊園地ってどこのやつですか?」

「山梨の方だ」


 むちゃくちゃ遠い。

 うちから行くとなると千葉駅まで電車で1時間弱かけて移動して、そこから特急に乗って約3時間乗車である。


「遠いですね、でも逆に列車内でもイチャイチャして見せつけられますが」

「よく分かってるじゃないか、政信くん。それを期待してたんだよ」


 というわけで。

 土曜日に俺達は遊園地デート(偽)に行くことになった。



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お待たせしました。

いよいよ次回から偽デート編でございます。

偽デート編が終了しますと復讐後編に突入いたします。

どうぞお楽しみに。


いつもたくさんの応援コメントありがとうございます。

面白い・楽しいなど思っていただけましたら、ぜひレビューをお願いします。


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