第43話 浮気偽造の罪は重い その5
証拠が偽造であることと、自分たちが浮気する暇がないということの証明をするというこちらの宣言に、余裕の構えな邦彦と、顔がこれでもかというくらいに真っ青な千春。
「ほう、そこまで言うならやってみればいいじゃないか。そして大人しく俺に論破されろや」
未だに自分の置かれている立ち位置が分かっていないようで、こちらのことを煽りに来る邦彦。
俺は呆れ返りながら、怒涛のトークを開始する。
「まず証拠写真の方な。そもそもこの写真が撮影された時刻に俺はここにはいない。もっと言うならちとせもいない」
「なんでだ?」
「俺は入院してリハビリしてたんだぞ?そしてちとせも手伝ってくれていた。これは病院に確かめればすぐに事実だということが分かる。よってこの写真は撮影しようがなく、明らかな偽造である」
「だが、こっちは退院後のはずだぞ?」
「こんな程度のクオリティの写真出してくんなよ。この首のところ見てみろ、明らかに色がある線を境に変わっているだろう」
「アクセサリーでそこだけ日焼けしてないからじゃないのか?」
「例えそうだてしても、ある線を境にいきなり首の太さが違うってのも有り得ないだろうが」
「ぐぬぅ……」
「それから浮気する暇がないということだが、これは明確な証拠がある」
「そんなものあるわけ――」
「GPS」
「は?」
「GPSだよ。俺たちはスマホのGPSを常にオンにして、かつ履歴を残してる。いつどこにいたかはすべて分かるんだ。そして、俺の履歴とちとせの履歴は完全に一致する。学校ではスマホの電源を落としているから履歴がないけど、他はずっと一緒にいるんだ、浮気のしようがない」
「だが、学校では履歴がないんだろう?学校で浮気してるんじゃないのか?」
「まず同じクラスだし、隣の席だし、ついでにいうとずっとくっついてるし」
「証拠はあんのかよ、証拠は。証拠がないなら認められないぞ」
でた、証拠を出せという要求。
追い詰められた人が大抵よくやる手段。
これを予測していた俺は。
「お前さ、なんでここに俺たち以外のクラスメイト呼んでると思ってんの?まさに今、普段からくっついていることを証言してもらうためにここに来てもらってんだよ?それに俺言ったよね、証拠を出すって。だからおとなしくこの2人の証言を聞け」
「はい……」
「じゃあ2人とも、証言よろしく」
「はいよ」
このとき俺は思ってもいなかった。
死ぬほど恥ずかしい証言をされ、ちとせ共々ある意味公開処刑されるとは。
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いったいどんな証言何でしょうか……
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