第4話 復讐準備 その2


「あいつら、そろいもそろってクズだったわ。やっぱあいつら死にたいと思うまで徹底的に潰してやる」


 開口一番、とんでもないフレーズが飛び出したちとせに圧倒されつつ、こちらも口を開く。


「とりあえず、状況確認から始めたいんだが?」

「簡単よ。あいつら、よりによって毎日会ってる。しかも放課後のみならず、休み時間とかに普通に空き教室でヤってるし」

「あれか、昔で言うところの『逢う』ってやつか」

「そう。現代で言うところの不純異性交遊の最たるものだよね」

「それを毎日、学校の空き教室で?」

「そういうこと。……ね、殺してもいいくらいのゴミでしょ」

「確かに殺したいが……。そうすると今度は俺たちが殺人罪で逮捕されかねない」

「バレなきゃいいでしょ、バレなきゃ」


 ……やばい会話してません、俺たち。

 こんなんバレたらどうすんのやら。


「とにかく、これだけ証拠があれば言い逃れはできないよね」

「これで逆にどんな言い訳するのか聞きたいわね」


 お願いですから真顔で黒いオーラ発しながらこっち見るのやめてくれません?

 すげぇ怖いんですけど。


「さて、では我らの復讐劇は何時いつ開演するのかな?」

「急に厨二病発言するのやめて」


 えっと……、あなたが言える言葉ですか?

 という言葉は言ったら殺されかねないので必死で飲み込んで。


「で、いつこの計画を実行に移すのさ」

「明日よ。あいつらには一切準備期間を設定しなければ、徹底的に潰せるもの。ついでだから、生配信してもらえる?」

「生配信?一応言っとくが、ピアノのチャンネルだぞ」


 一応補足しておくと、俺はピアノが弾ける。

 そして、ときおり弾いた動画をMe Tubeという動画投稿サイトに投稿している。

 一回制服で弾いた動画を上げてしまったのが原因で、高校生ということがバレ、今では登録者数20万人を突破してしまった。

 つまり、そこで生配信すればことになるわけで。

 そうすれば、社会的にも大打撃を与えられるというわけだ。


 こんなことを思いつくなんて、ちとせはつくづく恐ろしいやつである。


「いいじゃない。『号外』ってことで。いまから告知しておけば?」

「号外なら結構見てくれそうだな。そうだな……、タイトルは『浮気した人間の末期さいご』とでもしとくか」

「それ最高。明日の12:40から配信でどう?」

「昼休みにやるつもり?」

「もちろん。少しでも人目を引いたほうがいいしね」

「まさかとは思うが、教室で大喧嘩するつもり?」

「教室じゃ狭いから、体育館でやるつもりだけど」


 体育館ですか……。

 やばいこいつ、本気で学校内から居場所なくすつもりだ。

 まあでも、そのくらいしてやらないとね。

 本命同士で付き合うためとはいえ、人をしたんだから。


「まあいいや。とにかくあいつらを、明日の昼休みに、潰す」

「そういうこと。詳しいことはあとで追って連絡するわ」

「了解。じゃあまた明日」

「また明日」


 そういった俺たちは。

 

 とてつもない殺気をまとい、黒いオーラ全開で。

 更にその目は猛獣のようにギラギラと光っていた。



 クズ野郎ども千春と邦彦が地獄に落ちるまで、あと1日。








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筆者コメント欄


いよいよ次回から復讐です。

5話は5月13日(金)に投稿します。


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