第17話 見せつけの偽デート 4-3

 ベンチで休憩した後、次に向かったのは「レッド・タワー」というアトラクション。

 座った椅子がだんだん上に上がり急降下するというアトラクションだ。

 ちなみにちとせはと言うと。


「ド・ドドンパに乗りたい」


 と言っていたが、さすがにあの状態でジェットコースター2連続はきついだろうと判断し、別のものにした。

 てくてく歩いていくと、程なくしてそばまで到達したものの。


「むっちゃ高くね?」

「高いね、でも楽しそう!」


 予想を遥かに超える高さのアトラクションが姿を表した。

 そしてその降下のスピードはこれまた恐ろしく速い。

 予想よりもかなり怖めのブツだったようだ。

 とはいえど、せっかく乗るために来たのだから乗る。

 が、その前に。


「やっぱり混んでるか」

「仕方ないよ。だって休日の遊園地だもの。」


 さすがは休日の遊園地、カップルと家族だらけとはいえ混んでいる。

 当然ながら各アトラクションには長蛇の列ができており、ここも例外ではない。

 待ち時間は20分、となればそこでイチャイチャするのがカップルというものだろう。

 ましてや千春たちが見てる今は少しでもイチャイチャして勘違いさせたい。

 そう思ったのはちとせも同じらしく。

 二人同時に差し出した手をつなぎ合わせると、カップルらしくくっついて他愛もない話に花を咲かせて始めた。





 その20分後。

 係員に案内されアトラクションに乗る。

 乗り込んですぐに安全具の固定が行われ、ゆっくりと上昇を開始した。

 だんだん上がっていくにつれ、景色がどんどん良くなっていく。


「この景色すごいね、あそこまで見えるよ、ほら」

「ほんとだ。しかも富士山もこんな綺麗に見えるなんて。乗ってよかったね」


 とちとせが言った瞬間、ガコンと音がして上昇が停止し。

 ゴォォォと音を立てて猛スピードで急降下を開始した。


「キャーーーーー!」

「イェーーーーー!」


 二人して思わず叫び声を上げてしまうほどの暴力的な加速。

 重力に引っ張られ、ものすごい勢いで落下していく。

 もちろん他の乗客も例外ではなく、みんなして叫び声を上げてしまうほどだ。


 落下と上昇を繰り返し、終わった頃には二人とも若干ヘトヘトになっていた。


「やばい、何がやばいって中毒性がすごい」

「ほんとなんだけど。怖いけどでもまたやりたくなっちゃうね」

「でも結構疲れたな」

「そうね。11時だし、お昼にしましょ」

「そうか、もうそんな時間か。どこに行く?」


 そう言って、手元のマップを覗き込む。

 するとちとせも同じマップを覗き込み、自然と顔が密着する。

 その状態で


「ここはどうかな?」

「メニュー的にこっちのほうが良いかも」


 などと話していればそれは最早ただの仲睦まじいカップルでしかなく。

 

「あのカップル超仲良いね〜」

「ね〜、末永くお幸せにって感じだね」


 それが聞こえた途端、お互いにバッとすごい勢いで顔を離す。

 そのうえでお互いの顔を見ると。


「ちとせ、顔真っ赤じゃん」

「政信、顔真っ赤だけどどうしたの?」


 二人同時に同じことを言ってしまい、一瞬顔を見合わせ同時に吹き出す。


「なんだ、やっぱりどっちも恥ずかしかったんか」

「まあ、あんなふうに言われると恥ずかしいよね」

「そうだな。さていい加減、お昼にしようか」

「そうね。せっかくだし、例のあそこに行こ?」


 話し合いの末、俺達はとあるファストフード店に行くことにした。




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 お昼はどこで食べるんでしょうかね?

 このときの千春達の様子は偽デート編と復讐編のあいだで書きます(たぶん)


 7月1日にタイトルを変更します。

 新タイトルはまだ未定ですが、改題時に近況ノートと改題後最初の話で理由とともにお知らせします。

 案がございましたら是非コメントでお教えください。

 また、デートスポットを随時募集中です。

 このデートスポットがおすすめ、というのがあればコメントでぜひ教えて下さい。

 一応国内ならどこでもいいです(旅行編に使えるので)


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