第5話 修学旅行事前準備-1 その4
最後の元カノ絡みの話は全カットした上で伝えきると。
「おお、まさかそこまでいってるとは思わなかったな」
「ね。私達も親に挨拶したりとかしてないしね」
「最もすでにバレてる節はあるけどな」
「全部?」
「多分」
「……なんでだろ?」
「ね、俺も特に言ってないんだけどね。付き合ってる人がいる、としか言ってない」
「それは私もよ」
傍から見たらわかり易すぎるその疑問に答えてやる。
「同じ日に付き合い始めて、デートいく日は必ず同じ日で、行き先も同じで、いつもの帰宅も同じ、おまけに雰囲気が変わったとなれば気付くでしょうよ」
「でも普通の幼馴染を装っているけどな?」
「無理だよ、前にそのモード見たことあるけど、微妙にバカップルオーラ出てたし」
「そうか」
「そうだ」
「ふーん。……って話巧妙にそらしたでしょ?」
「何のことでしょうか?」
ジト目で睨んでくる2人と、素知らぬ顔をする俺達2人。
「もう。親公認になったはいいけど、本当にそうするつもりなの?」
「わからん。高校生で結婚はしてもいいかもしれないけど、その先はまだ早いと思う」
「ちとせちゃんは?」
「んー、ほしいかほしくないかって聞かれたらちょっと欲しい気はする」
「いや、ちとせ、入籍は18になればできるけど、出産はそうはいかないからね?大学受験とか大学生活が絡んでくるからね?」
「そんなのどうでもいいもん。政信との生活に比べたら軽すぎるもの」
「いや、それ絶対ダメだから。せめて大学出て就職するまでは駄目だから。……それに奴らの子供と同じ学校に行く時期がかぶるとか絶対に避けたいし」
「確かにそうだね。じゃあ我慢するしかないのかな」
「今のところは。俺の気持ちが変われば別かもしれないけどね。……ってこんな話ししてないで早く行程表書き上げないとじゃん!」
「あ、そっか。でも行く場所決まったでしょ?」
「おう。2日目は清水寺、伏見稲荷大社、北野異人館街。3日目は姫路城と宮島だな。後は電車だけなんだけど、どっちを取るか、だな」
「「「どっちを取るか?」」」
「ああ。3日目は新幹線を使うし、他に手段がないからいいとして、問題は2日目の京神間の移動だよな。高いけど早いJRにするか、多少時間が遅くても半額くらいの阪急電車で行くか」
「どっちのほうがいいの?」
「どっちでもいいっちゃいいけど、強いて言うなら阪急に乗れば大阪梅田で「かやくご飯」なるものがホーム上の蕎麦屋で食える。あと阪急は始発列車だから確実に座れるけど、JRは結構遠くから来るから座れない可能性が高い」
「遠いってどこらへん?」
「列車によるけど、滋賀県の米原とか、福井県の敦賀とかもある」
「どのくらい早いの?」
「せいぜい2,30分くらい。ただ大阪で降りれないけど。それと阪急で行ったとしても神戸に着くのは15時台」
「じゃあ阪急でいいんじゃない?」
「あまり詳しくないけど、安い方でいいと思うぞ、俺は」
「4人で座れるならどっちでもいいよ」
「じゃあ阪急電車だな。ちょっと待ってて、今組み上げちゃうから」
そこからものの数分で行程を組み上げ、チェックをもらう。
「ほお、これで充分なんじゃないか?」
「結構細かいね。……これさ、確かHM編成あったよね?」
「京阪でしょ?確か4両編成じゃなかったっけ?」
「あれ、そうだっけ?」
「でしょ。だって基本運用が宇治線だけだったはずだから。で、残念ながら俺らが乗るやつは7両編成だから、乗るのは不可能だね」
「そっか。でもポスターはあるよね?」
「あるんじゃない?」
「じゃあいっか。……彩希ちゃんは?」
「これでいいと思う。……伏見稲荷が2時間もいるのか疑問だけど」
「山の上まで登るんだぞ?ガイドとかも標準往復時分2時間だし」
「ならいいよ。よし、これで完成だね」
最後にこれを提出して終わり。
と、そんな感じで浮かれつつも、頭の片隅で元カノたちの反逆の可能性を考えてはいた。
万が一のことが起こってからでは遅い。
しかし事態は想像を遥かに超えており。
今こうして楽しんでいる間にも、魔の手は着実に迫ってきていたのだった。
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随分久しぶりの復讐回がまもなくスタートします。
まさか、あのしぶとい奴らが黙ってるとでも?
今度はちとせがどんなふうに怒るのか、2人はどのような制裁を与えるのかお楽しみに。
どのくらいまで潰してほしい、こんな報復措置を取ってほしいなどありましたら、コメント欄やTwitterのDMをご使用ください。
Twitterアカウントは作者プロフィールのところにございます。
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