第38話 京都、地元民と一緒で。 その1

「うちが撮りまひょか、井野さん?」


聞き覚えのある女子生徒の声が聞こえ、後ろを振り返るとそこには。


昨日顔を合わせた目黒さんを始めとする数名の地元女子高生がいた。

彼女たちは、ライバル校の吹奏楽部の子たちである。

色々あって仲が良くなっていた。


しかし、問題はそこではない。

なぜ彼女たちが今ここにいるのか、甚だ疑問である。


「……とりあえず写真撮ってもらっていいか?」

「<もちろんです、だって今日はお二人のために来たんですから>」


まず先に、4人の写真を撮ってもらう。

撮り終わったところで、質問(またの名を尋問)タイムである。


「さて、どうして今ここにいるのか聞かせていただこうか」

「<だって高山先輩に呼ばれたんですもん>」


しれっと何事もないかのように答える目黒さん。

しかし、考えても見てほしい。

今日は10月の何の変哲もない平日である、当然学校だってあるはずだ。


つまり、彼女たちは学校が何らかの形で休みになるか、ズル休みをしなければ、この時間に清水寺にいるのは不可能なのである。


「目黒さん」

「<は、はいっ!>」

「学校は、どうしたの?」


少し圧をかけながらその質問を発すると、意外な答えが返ってきた。


「<実は、今日たまたまお休みなんです>」

「どういうこと?」

「<創立記念日なんですけど、顧問の先生が体調を崩し気味らしくて、休息日になったんです>」

「なるほどねぇ。だから今日ここにいられるのか」

「<そういうことです>」

「ほーん。…じゃあ今日は頼りにしてるよ、目黒さん」

「<了解であります!>」


これにより、今日の移動は3人の現地のJKが随伴することになった。




清水寺はなにげに広い。

やれ五重塔だの滝だのと回っていれば、あっという間に時間は過ぎ去っていく。

ようやく清水寺から出た頃には、すでに時間は10時半を回り、11時近くになっていた。

当初の予定通り、清水坂を散策しながら駅へと向かう。


「ちとせ、ゆばまんだって」

「ほんとだ。ゆばと九条ねぎ、ねぇ…。絶対に美味しいじゃん!おばちゃん、ゆばまん2つください」

「武弥たちと目黒さんたちは?」

「食べる」

「<ください>」

「おっけー。おばちゃん、追加で5つお願いします」


と食べ物を買ったり。


「あ、この店あれじゃん、3年前に京都駅で大量買いしたところ」

「あ、八ツ橋のお店か!買ってこ、今日のお茶用とお土産に」


お土産と自分たちのおやつを兼ねて生八ツ橋をいろいろ買ったり。


清水坂を下り終える頃には、おなかもそこそこ満たしつつ、お土産類をそこそこ購入し終わっていた。

ぞろぞろと7人で鴨川まで歩いていく。


鴨川のきれいな水面を各々写真に収めたり、4人の集合写真を撮ってもらったり、逆に俺たちと目黒さんたちの5人で撮ってもらったり。

一通り終え、すぐそばの入り口から地下に入る。


京阪電車、清水五条駅。

ここから京阪電車で数駅行けば、次の目的地の最寄り駅だ。






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3章前半部の第49話にて、ご指摘をいただきました。


確認したところ、情報が少なく、内容面で誤解が生じてしまう用に感じられました。

このため、誤解を防ぐために、本文のあとに補足を入れました(書き直しは難しいため)。


情報不足、申し訳ございませんでした。

また、ご指摘頂いた方、大変助かりました、ありがとうございます。


今後もなにか疑問等ありまたら、コメントにてお知らせください。


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