第7話 出産前の最終決戦 Side極悪夫婦 その2

 千春と邦彦の前に広がる1つのノート。

 それは一見、1冊の普通の大学ノートだった。

 ただし、中身を見ると別である。

 その中には、細かい字でびっちりと隅から隅まで真っ黒に書いてあるページがたっぷり。


 その中身はあえて言わないが。

 一言だけ言うのであれば、とんでもない規模の爆弾である。

 おそらくこれを爆発させれば、よほどの腕を持たない限り、攻撃された側の立場は危うい。

 というか、ほぼ間違いなく、仮に冤罪であったとしても信頼を失い、それを取り戻すまでにはかなりの時間を要する。

 

 もっとも、敵が政信&ちとせなら話は別だ。

 この最強コンビ、そのあまりのイチャラブバカップルぷりについたあだ名は、オシドリ夫婦・熟年夫婦・新婚さんの3つである。

 その頭脳はとてつもなく、どんな爆弾投げ込まれたって大丈夫なほどに信頼を得ていた。

 特に、復讐劇の生配信は、信頼度アップに貢献していたのだ。

 おそらくだが、地球破壊爆弾を爆発させられても生き残れるくらいには強い。


 ということを知らないものの、念の為かなり威力を高めていく千春たち。

 その威力たるや、事前にそれを封じることが出来なければ、どんな人間でも一旦は陥れられるほど。

 あの政信たちですら、もしかしたら対処しきれないくらいの、である。






 そして今何をしているかと言うと、千春と邦彦は2人揃ってひたすらスマホに打ち込んでいく毎日。

 そもそも邦彦は本来、千葉県まで来ることが出来ない身ではあるが、そこはスマホを効率良く使い、2人で協力してきていた。

 さっきだって、この2人はビデオ通話していたのだ。

 で、なぜスマホに打ち込んでいくのかというと、その後のためである。


 スイッターには、一度のスイートの文字数に制限がある。

 それに、1つのスイートではなく、いくつものスイートをしたほうが、効果バツグンである。

 そこで、スマホのメモ帳機能を活用し、いざスイートするときには、コピー&ペーストをフル活用し、次々にスイートできるようにしているのだ。


 この作業が大変時間がかかる。

 なにせ大学ノート1冊分の量がある。

 いくら打ち込むのが早いとは言え、量が半端じゃない。


 ようやく全て終わったのは、丸2日経った頃だった。


 さて、打ち込み終われば、残るのはそれを全て世にぶちまけるだけ。

 ただし、それにもタイミングというものがある。


 色々悩んだ末、彼らはまず半分を10時間かけて次々にばらまいていくことにした。

 そんでもって、反撃されたのを徹底的に潰した後、それを脚色したものと、残り半分をばらまく。

 そうすれば、あいつらを本当の地獄に落とせる。


 あとはいつ実行するか。


 やはり、最後までやりきった後に修学旅行に行ってもらいたい。

 そうすれば、行く先々で白い目で見られるからだ。




「私に逆らうからいけないのよ」


 千春の謎の思考は、とどまるところを知らない。






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 近況ノートにて報告させていただきましたが、本文中に大変大きなミスがございました。

 現在、当該箇所は修正されております。


 申し訳ありませんでした。


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