第30話 最終戦 その14
あまりに長いのでここまでの状況を整理。
・とりあえず「二度と関わらない」という約束を破ったことに関しては尋問終了済み。
・現在2人で手分けして、「どのようにしてこの証拠を集めたのか(=作ったのか)、どうしてあの方法を思いついたのか」などを尋問中。
////////////////////////////////////////////////////////////
絶対に答えなければならない状況に追い込み、解答させていく。
「では最後の質問だ。あとでちとせがもう1回聞くから、もし嘘ついていたらすぐに分かるからな?」
「……」
無言の肯定とみなし、質問する。
「この間のSNS上での件。あれは誰が思いついたんだ?」
「邦彦よ」
「そうか。……で、お前は賛成して実行したと?」
「いいえ。私は反対したのよ、でも邦彦に脅されて仕方なく加わったの」
なんとなくだが、これは嘘だと分かる。
ただ、それを指摘するのも癪なので、あえてスルーする。
それに、後でこっちが浮気してないっていうことを話すために4人でもう1回テーブルを囲むわけだし、そのときに責任の押し付けあいが始まるのは目に見えている。
そうなれば楽勝である。
「そうか。……これだけの投稿を瞬時にできたってことは絶対準備してるよな。どうやった?」
「そんなこと教えるわけないじゃ――」
「そんなに手刀落とされたいか?」
「い、いえ、すみません……」
「謝ってないでいいから早く答えろや」
ちょっとでも調子に乗った瞬間、俺の顔が般若のごとく怒りに染まる。
そしてそれを見てビビる。
「ノートにいっぱい書きました」
「そのノートはどこへやった?」
「捨てたわよ」
「はあ?」
「だから、捨てたって言ってるの」
「よしわかった、今すぐお前の家に行って探してくる」
「待って!」
「待つ必要はなにもないだろう。それとも探しに行かれちゃ困るのか?」
「そういうわけでは……」
「じゃあ問題ないだろう?なんでそんなに反対することがある?」
「……だ、だって…」
「だって?」
「私も女子だよ!?見られたくないものだってあるの!」
「何のことか詳しくは聞かんけど、月一のアレに関係するやつだったら今更なんとも思わんよ。だってうちに普通に置いてあるし。共同の寝室に置きっぱだったこともある。あれだろ、白い布みたいなやつだろ?」
「それもあるけど、そういうのじゃなくて!」
「じゃああれか、夜とかに使うようなやつか。そっちもこれみよがしに置いてあったことあったからな……。あれは本当に大変だったな……」
「そうだったんだ……ってそういうやつ置いてあるわけ無いでしょ!」
「そうか。ならば行っても文句はないな?」
「……えっと、それは、その……」
千春がグダグダしていると。
いつのまにか席を外していたちとせのお母さんが戻ってきて。
「政信くん、たぶんこのノートだと思うんだけど」
その手には、さっき千春が捨てたと言っていたやつらしきノートが握られていた。
-----------------------------------------------------------
補足
ちとせの夜のアレの件ですが、記憶が間違ってなければまだ2人は夜の〇〇までは到達していませんので、ぎりぎり耐えています。
//////////////////////////////////////////////////////////
もうそろそろちとせ視点に変わります。復讐もいよいよ後半です。
//////////////////////////////////////////////////////////
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます