第21話 最終戦 その5
ちとせの問いに対し、黙りこくる千春。
「無言は肯定とみなすけど。否定するなら早く話して」
「……」
通告したのにも関わらず、何も従う気配が無いので。
「じゃあ肯定とみなして話を進める」
ただただコクリと頷く千春たち。
当たり前だが、ちゃんとした筆跡鑑定士に頼んでいるので、反論の余地なんぞ一箇所もない。
「まず先に今回の話し合いにおける諸経費をきちっと請求するから覚悟しとけよ?……じゃあ片っ端から話していこうか」
「……さっさとすれば?」
「てめぇ自分の立場理解して――」
「千春?……
思い切り挑発にしか聞こえないセリフが解き放たれ、俺がキレかけた瞬間に殺意の刃を放つちとせ。
途端にビクッとなる千春と邦彦。
さらに、漏れ出た殺意にやられた武弥と彩希も続いた。
「はぁ。……とりあえずさっさと済ますか。そもそも金輪際関わるな、関わったら命の保証はしないっていう話だったわけだが」
「じゃあ今から拷問しても――」
「目をキラキラ輝かせて聞いてもダメです。それに、お腹の子に障るでしょ?」
「ああ、そういうこと?」
「どういうことかは知らないけれど、まず今回も前回に引き続き配信中。拷問なんぞしたら警察に捕まるよ?そしたら俺らが犯罪者になっちまう」
「言われてみれば」
「それに、彼奴等には害しかないけれども、子供は何も悪くないだろ?だからダメだ。万が一でも死んじゃったらまずいからな」
「……クズ同士の子供は屑だと思うんだけど」
「クズは遺伝しないよ。育て方だからね。……話が脱線したけれど、本題に戻ろうか」
相変わらず拷問したがりの彼女を抑え込んで。
「千春。貴様は金輪際関わらないと約束したのにも関わらずわざわざこういうことをしたのはなぜだ?」
「答える必要はないよね?それに黙秘権があるし」
パァン!パァン!
舐めた態度を取り続ける千春の返事の直後、テーブル上のグラスが吹っ飛び、その直後千春の顔が横を向く。
その頬は真っ赤に腫れ上がっていた。
ブチギレかけたちとせが、フルスイングで机の上のものをふっ飛ばし、その手を勢いよく戻しながら千春の頬を直撃させたのだ。
しかし、その顔は冷静そのもの。
千春が睨みつけてくるが、俺もちとせも全然怖く感じず。
「あんたみたいなクズに黙秘権なんかあると思ってんの?バカなこと言ってんじゃないよ。次やったら手加減しないからね?」
つまり死んでも責任は取らないという宣言。
さすがに恐れをなしたのか、大人しくなる千春。
「で、約束破った理由は?」
「ウザかったのよ。あんた達が正しくて、私達が悪いってされて。あんた達も同じことしてんのに、私達だけ責められるっておかしいでしょ。だからこうしたの」
「ふーん。……ねぇちとせ、この大噓つきどうしてくれよう?」
「もう面倒くさいし、後で話さない?そろそろもう1個のほうに行こうよ。向こうもたくさん準備してきてるみたいだし」
「そうだな。先にそっち話すか」
もう1個の話題、つまり邦彦達が準備してきた方の話をするとわかった瞬間。
その2人の顔がバカにしたような笑みを浮かべ。
反射的に無意識に殺意を2人揃って放ちかけ、自分たちの性格に呆れる俺たちだった。
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お詫び
昨日投稿予定だった分です。
諸事情により、投稿できませんでした。
書くと長くなるので、近況ノートにて書かせていただきます。
詳しくはコチラをご覧ください。
https://kakuyomu.jp/users/shikajika/news/16817330652061152458
今日中にもう1話投稿します。
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