第11話 京都だけど京都じゃない その2
比叡山延暦寺。
京都観光といえば、という問いかけに絶対にここの名前を上げる人がいるであろう、有名なお寺。
しかし、住所はあくまで滋賀県。
厳密には京都ではない。
とはいえ、京都から向かうほうが楽だし、何より京都府との境もすぐ近くにあるため、京都観光にギリギリ含めることのできるところである。
そんな延暦寺でのお楽しみは見学だけではなく……
「おっひるだよ〜、おっひるだよ〜、今日はず〜っと気になっていたアレだよ〜!」
「テンション高いね、ちとせ」
「うん!確かに移動しただけだけど、もうこんな時間だし、何より精進料理をいただける大チャンス!なにげにすっごく楽しみだったんだ〜」
「それは知ってるから。ほら、早く行くよ。席取られちゃう」
「はっ!それは駄目だね、政信。今すぐ行こ!」
「あ、ちょ、ちとせ、走ったら危ないから……って道が違うよ!」
「え?」
「そっち行ったら駅に行っちゃうから!延暦寺会館はこっち!」
「そっちか……。ごめんね、うっかりしてた」
「地図。ちゃんと見た?」
「見て、ない、デス……」
「全く。暇だ暇だって昨日言ってたからてっきりしおり全部読んだのかと思ってたよ。……ホテルの構造、当日行くところの地図は一応見ておかないと。特に明日明後日は自分たちで動くんだから、最寄り駅からの道はちゃんと頭に入れとかないと、って言ったでしょ?」
「そういえば言ってたね。……でも神戸あたりはほら、あの子達に会うから大丈夫じゃない?」
「明後日は会えないけどな。……分からないなら先に行かないの」
「は〜い。……さ、気を取り直してごっはんだよ〜!」
「お寺の境内なんだからもう少し落ちついて歩きなさい!」
ちとせと漫才のようなやり取りを繰り広げているが。
今日はまず延暦寺会館にて精進料理を昼食にいただき、その後延暦寺の見学というルートになっている。
この行程表を見たときは、新幹線乗ってバス乗ったら昼食?食えんのかな?などと思ったものだが、いざ当日になるとなんだかんだでお腹が減るもんである。
延暦寺会館に入り、すでに先に会館に着いていた旅行会社の方についていく。
階段を上がり、少し行くと、自分たちの高校の名前が掲示された大きな部屋があった。
そこには、長机と椅子がズラッと並んでおり、長机の上には精進料理と思われる一段のお重のようなものが並んでいた。
好きな席につくように、ただしクラスごとに列だけは守るようにとのことなので、指定された列の中で座る。
程なくしてぞろぞろと他のクラスメイトや担任がやってきて着席。
全員が座ったところで、注意事項が伝達された。
道路の混雑の影響を受けて予定を押しているため、黙って速やかに食事すること。
食事時間は20分、その後根本中堂に移動し、僧侶のお話を聞く。
それが終わったら、各クラスごとに集合写真を撮影し、自主研修の班ごとに自由行動。
集合場所はバスの中、時刻は追って伝達。
それらが伝えられると、すぐに食事に移る。
20分後。
「あ〜、めっちゃ美味かった。精進料理ってうまいねぇ」
「確かに、私達からしたら美味しかったけど……」
「……他の人たちはそうでもなさそうだな」
結構多くの人が言うには、「味が薄い」。
うちなんかは結構添加物を気にしているし、なにげに家できちんと作ることが多いのと、そもそもあまり添加物だらけのものになると舌や喉がヒリヒリしてくるのもあって、どっちかというと薄味と言われるようなものを食べているからか、美味しいと感じた。
なにせ、ここ最近は毎日夜ごはんマックとかだな……なんてできないのである。
そんなことしたら、3日くらいで体調を崩し始める。
一方、多くの人はどっちかというと味の濃い(本来年頃の男子なんて肉とかこういうのが好きなのであり、肉より野菜、サラダ大好き、味薄めが良き、漬物があればご飯が進んで美味しいとか白米だけで美味しいとバクバク食べちゃうほうがおかしいのであるが)ものを好んで食べるため、精進料理は薄く感じたらしい。
「まあ、俺たちは美味かった。……これで十分だな」
「そうね。……次はお坊さんの説法ね。どんな話が聞けるんだろ?」
「さあ?延暦寺のが、どんなのかは知らないんだよな。……法隆寺だかどっかの説法はとっても面白いらしいが」
「そうなんだ!こんど行ってみようよ!」
「そうだな。それこそ来週とかに行くか」
「いいね!」
根本中堂に向かいながら、修学旅行から帰宅後、次に関西に来るときの話をする俺とちとせであった。
【添加物云々の話 〜作者より〜】
作中ででてきた添加物云々の話ですが。
うちはもともと母が添加物がだめな方で、ごく僅かとかなら大丈夫ですし、ファミレスとかも偶にならいいのですが、しょっちゅうとなると体調を崩してしまう人です。
体が負けちゃうってことですね。
で、そんな母に育てられておりますから、うちの食卓にはスーパーの惣菜が並ぶ、といったことは意外と少なく(最近はものすごく増えましたけど、それでも2〜3日に一回くらい)、添加物耐性が弱くなっております。
そのせいなのか、小学校の給食は味が濃く、下と喉がヒリヒリするので嫌いでした(特にミートソース、カレーなどはほんとに辛かった)。
また、私自身肉にはそんなに強くなく、鶏肉は大好物で結構いくらでもいけるもんで、唐揚げ・ハンバーグ・ささみフライ・チキンナゲット・ソーセージなんかは好きなんですが、ステーキとかはどっちかというと嫌いです。固いのが苦手なのと、脂がすごくて気持ち悪くなるから。
焼肉は行きますけど薄切りのロースとかタンとかそういうの食べてます。
話がそれましたね。
添加物耐性がないもんですから、マックを毎晩食べてたときは4日目くらいから体調を崩し始めまして、6日目くらいで寝込んで動けず、食事も喉を通らないなんて状態になりました。
……毎日マック食べてるやつってすげえなって思ってたりします。
延暦寺での精進料理はすっごく美味しかったですよ!
周りは味薄いって言ってましたが、わたし的には好みにどストライクでした。
ちなみにお漬物、野菜系とかもよく食べますし、あと煮物を大好きなもんで、最近はおじいちゃん舌なんて言われてしまいました。
そんな食生活がまずいのか、野菜の摂取量などは基準値を大幅に上回っており健康なんですが、BMIが痩せすぎのラインに居て、児童相談所にネグレクトの疑いで通報が行くほどでした。
身長は男子高校生の平均くらいなのに、体重は女子高生の平均下回ってたらそりゃ痩せすぎになるか、と変に納得していましたが。
…どうしたら体重も標準へ持っていけるのやら。
友達に相談したらジャンクフード食えって言われて思わずブチギレました。
なんか良い方法ありませんかね?
以上、添加物耐性の無さが原因でいろいろ困ってるとある男子学生な作者のお話でした。
ちなみに、政信くんと武弥くんはBMIは痩せに近い標準、ちとせちゃんは太り気味の方に近い標準です。
ただし、ちとせちゃんはとっても痩せております。
体重が重い理由は、そのグラマラスな体型、引っ込むところは引っ込んでて、出るところは出てるというその体型に原因があります。
特に上半身の魅惑の果実はグラビアアイドル顔負けですので。
こう書いてみると政信くんってよく理性保てますね……(SSでは体験済みで卒業してますが、本編ではまだ卒業してません)。
長いあとがき失礼しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます