第20話 遊園地デートはクソくらえ(Side邦彦)
今回は、前々回までの偽デート編の邦彦サイドのお話です。
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何が政信とちとせがこんな短期間でラブラブになるわけがない、だ。
そんなこと言ったやつはほんとに大嘘つきだ。
そしてそいつの名は千春だ。
つまりこう言いかえることができる。
千春は大噓つきである。
そもそも、堂々と浮気しようなどと言ってこれるのに、今後他の男を作ってこないという保証は一切ない。
それどころか、今度は俺がいつ浮気されてもおかしくない。
ならば分かれるのが得策なのだろうか?
大体、政信の奴がちとせと付き合ってる時点でおかしいのだ。
やはり俺はちとせと付き合ってるほうが良かったのだろう。
一応千春のご機嫌取りはしていたけど、ろくに返事を返しすらしない。
コレは今後の付き合い方を考え直したほうが良いなと思いながら、政信達の後ろを追って家路についた。
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政信とちとせが別れ、共に家に入ったことを確認した途端、千春がこちらを振り返った。
「邦彦、話があるの」
「急に何だよ、千春」
「あたし達さ、もう別れよ?」
「は?何急に言い出してんの?」
「だってやっぱり邦彦よりも政信のほうがいいもん」
何いってんだ、コイツ?
別れよう?政信のほうがいい?
あんなに盛大に振っておいて?
あんなにコテンパンにやられてゴミを見る目で見下されたのに?
そんなんでよくまた付き合えるとか思えるよな。
しかも男をとっかえひっかえだ。
怒りとともに呆れが湧き上がってきたのを頑張って抑えながら言う。
「何言ってんの?そっちが先に折れと付き合うって言ってきたんだろ。だいたい、最初にこの計画立てたのもお前だし。何、逃げようっていうわけ?」
次の瞬間、こちらを睨みながら口を開く千春。
「あんたとはもう付き合えないって言ってんの!とにかくさようなら。あなたとはもう別れるから」
そう宣言して、踵を返して走り出す千春。
「おい、ちょっと待てよ!千春ったら!」
一旦引き留めようと思ったが、一切反応せず走り去る千春。
やはり千春はクソ女だった。
よくこんなのに付き合えていたな、と思う。
もう我慢ならない。
明日千春の味方のふりをして敵に回ろう。
それで千春を潰せばちとせも認めてくれるだろう。
明日が楽しみだ。
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いよいよ次回から復習編第2弾です!
今度こそ千春を世間から抹殺したいちとせちゃんの逆襲が始まります。
お楽しみに!
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