第36話 ちとせの復讐 その4
その後も怒り狂い続けながらなんとか尋問を終わらせる。
何度かついうっかり殺してしまいそうになったものの、政信の顔を思い浮かべることでなんとか自制した。
そのときについうっかりある部分を濡らしてしまったというのは本人だけの秘密である。
政信と尋問相手の交換を行い、尋問を再開する。
こんどの相手は千春。
双子の姉だが、ちとせはまるで赤の他人に対するかのような状態であった。
もともと一連の騒動のきっかけになったあの事件を知っていらい、だんだんと血の繋がった人とは思えなくなっていたが。
ついに今回の騒動でただの赤の他人に降格した。
それを知る由もなく、千春は情けをかけてもらおうと必死になる。
「ちとせ、お願いだから勘弁して」
「するわけないでしょ。赤の他人になんで情けをかける必要があるわけ?……ああ、赤の他人じゃなかったか。私の彼氏の浮気した元カノか」
「そんな……」
必死になって謝るも、赤の他人だとばっさり切り捨てられた千春。
実の妹に赤の他人と言われたことは、さすがにショックだったようで。
「……私は、私はあなたの姉でしょ?」
必死になって聞くものの。
「何言ってんの?人の彼氏って分かってて、しかも自分に彼氏がいるというのに浮気して寝取ったり、わざわざ自分の想いを打ち明けた上で姉のためを思って手を引いた妹の初恋相手を彼氏にしておきながら、自分は妹の彼氏と浮気したり。そうやって妹の好きな人をことごとく自分のものにするようなやつとなんで血が繋がっていることにしなくちゃならないわけ?あんたバカ?あんたみたいなやつ、血が繋がっていようと繋がっていまいと関係なく赤の他人でしかないんだけど?」
つらつらっとちとせの口から飛び出てきた言葉の数々にあっさりとやられてしまう千春。
ちとせは、血縁関係があるとのたまわれた千春に対し反論した。
すなわちただの赤の他人であるということ、それから一切手加減をするつもりはないということを宣言したも同然である。
ちとせは、今の千春の言葉で呆れ返り。
内心でクソだな、と思ってしまった。
しかしそれを口に出すと、言葉が汚いなと思い。
おクソだな、と思い直した。
あくまで赤の他人として扱うという趣旨の発言をしたあと、千春が一向に口を開く気配がない。
あまりにも静かなせいで頭にきたちとせは。
「あのさ、さっき政信に対して言ったことと同じこと言えばいいだけなのになんで話さないの?さっき政信に言われてたよね?同じことちとせに言えって。こっちは聞こえてるんだから言い訳は聞かないよ?」
「……赤の他人に話すことなんて何もないわ」
「ああ?」
「ひぃっ!」
変な返答をした千春に対し、思わず凄んでしまうちとせだった。
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2月入るなり体調崩してました。
今日から再開します。他作品も週2〜3話ペースで再開します。
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