第46話 決着
大事なお知らせがあります。一番下までお読みください。
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俺たちの必死の願いが届いたのか、動画の再生が終了した。
それはすなわち、決着のときがすぐそこまで来ていることを意味する。
なお、ここまで何本もの俺たちふたりのイチャイチャを見せられた代償なのか、邦彦はなにも言えない様子であった。
よくよく考えてみれば、当事者ですらものすごい恥ずかしいのである。
普通は邦彦のようにぐったりして当然な気がする。
そう考えると、ケロッとしていられるこの2人は本当にすごいな、と思ってしまう。
と、ちょっぴり無駄な思考はよそへ葬り。
「邦彦、これで俺たちが浮気することができないってわかったな?」
「……。そうか、結局はこうなるのか」
「なんだって?」
「なんで、なんで俺ばっかりこんな目に合わなくちゃいけないんだ!コイツラなんかよりも俺のほうが勝っているはずなのに!」
突如発狂した邦彦が、次の瞬間吹っ飛ぶ。
「おいクソガキ。人の娘に手を出して、その姉妹に乗り換えて、そんでもって孕ませておきながらその言い方はなんだ。今ここで死ぬか?」
凄まじい殺気とともに言い放ったのは、他ならぬちとせの母親だった。
「ちょっとちょっと、大学時代の喧嘩腰になってるわよ」
「だって、うちの娘がこんなやつに汚されたなんて思ったら腹立ってしょうがなくて」
「あんたさぁ、それ子どもたち知ってるの?大学時代にそれ出してレディース総長と勘違いされたって話」
「……知ってると思うわよ。…………たぶん」
「多分じゃだめなのよ!ていうか絶対知らないわよ、子どもたちドン引きしてるもの」
「言ってなかったかしら?」
「言ってないからそうなってるんでしょうよ」
初めて知ったことだが、どうやらお義母さんは怒らせると大変に怖いようだ。
「もう、そうなる気持ちはよく分かるけど、いきなり出しちゃだめでしょ。もうちょっと落ち着きなさいよ」
「そうは言ってもなぁ……」
「あの、お義母さん」
「ん?どうしたの、政信くん」
「たしかにあれはびっくりしましたけど、俺もちとせもかなり爆発寸前でしたし、むしろああいうふうに言ってくれてありがとうございます」
「お礼はいらないわよ」
「そうですか。……それより邦彦、俺たちの浮気云々はお前らが作ったデマでいいんだな?」
「…………」
「無言なら肯定とみなすけど」
「…………」
結局その後、邦彦は口を開くことはなく。
茫然自失の千春は高山家へ、邦彦は遠い遠い左遷地へと戻された。
こうして、長い長い闘いは。
俺とちとせの完全勝利という形で幕を閉じた。
しかしこのとき俺は、全く知らなかった。
本当の悪人は千春ではないということを。
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いよいよ復讐劇も終わりです。
このあと、皆様誰もが予測できなかった結末を迎えたあと、いよいよ修学旅行編に入ります。
修学旅行では新たな政信の妻の座を狙う人物が……?
ここまで安寧だったまさちと、まさかの崩壊の危機?な続編をどうぞお楽しみに。
そしてなんと。
この作品が累計100話を突破しました!
キャラ紹介などは全て省かせていただいて計算したところ、このような数値が出ましたのでご報告です。
ここまで読んできてくださった方、本当にありがとうございます。
というわけで、記念SSのテーマを募集します。
何でも構いませんが、年齢制限がかかるような内容だけはお避けください。
お待ちしております。
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