第24話 復讐という名の地獄落とし 後編 その4
「俺の子じゃないってどういうこと?」
「いいかちとせ、まずそもそもの話として時期がおかしい。2ヶ月前って言ったら結構会えなくなりつつあった頃だ。その頃には邦彦と毎日してるってのは知ってる」
「そう。で?」
「次にだが、そもそも俺は未経験だ」
「生まれてこの方?」
「生まれてこの方。コレばっかしは証明できないがな。最後は毎日してたという証拠がある」
「証拠?」
「ホテルの領収書。日付を見てごらん。ちょうど3ヶ月前頃から毎日のように行っている」
「ホントだね。……お姉ちゃん、そろそろホントのこと言ったらどう?私も決して怒らないわけじゃないし、何ならあとちょっとでブチ切れそうなんだけど」
領収書の山を見た瞬間に顔を若干引きつらせる千春。
そしてそれを目が笑っていない笑顔で黒いオーラを全身から吹き出しているちとせが見つめる。
「で、ホントはどうなのさ。さっさと言ったら?」
「チッ。あたしより頭悪いはずなのになんで引っかかんないのよ」
ドゴン!
ものすごい音を立てて椅子が吹っ飛び、机が凹んだ。
あまりの苛立ちに迷わず立ち上がり、拳を叩きつけたからである。
「てめぇ、もう1回言ってみろ。ぶっ殺すぞ」
「はぁ?あたしのことを殺そうっての?親子二人とも?」
「あいにく俺の子じゃないしな、このクソビッチ。大体、未経験のやつに子供ができるわけねぇだろアホ」
俺の口から飛び出る暴言の数々に怯える千春。
一方のちとせは、
「政信、ちょっと落ち着いて」
「充分冷静だが?なんならさっきから一発ぶん殴りたいの我慢してるぐらいだが?」
「絶対に殴っちゃダメだからね」
「当たり前だろ。コイツは悪者だが子供は悪くない。罪のない子を殺しはしないさ」
「なら大丈夫そうだけど。……お姉ちゃん、いい加減その口から事実を語ってくれない?」
俺のときとは打って変わって低い声になるちとせ。
「確かにこの子は邦彦の子よ。失敗しちゃったみたいで」
失敗しちゃったみたいって。
コイツまだ言い逃れするつもりか?
「失敗したって当たり前だろ。毎日ゴムなしで2ヶ月半もやってたんだからできるに決まってるでしょ」
「うるさいわね、大人しくこっちの言うこと聞いてればいいのよ」
そこにおじさんとおばさんが入ってきた。
「千春、先に言っとくけど、あなたその子どうするつもりなの?」
「産むつもりだけど?」
「そう。じゃあ邦彦くんと二人で育てていけばいいわ。幸い家族用の社員寮もあるし。ね、あなた、たしかあったわよね」
「ああ、あるからそこで暮せばいい。ただ今は産まれる前だから千春はこっちにいてもらう」
「ちょっとお父さん、お姉ちゃんと一緒に暮らすってこと?」
「ちとせは政信くんの家にいなさい。そうすれば安心だろ?」
「政信の家なら。じゃあ支度しないとか」
「後でな。それよりもまず邦彦くん、君は何をしでかしたのか分かってるね?」
「ええ。分かれることは許されない、ということですよね」
ため息を付きながら言ったその反省感0のセリフに。
「キサマァ!自分が何したのか反省しろと言っただろうが!」
「あんたの子なんか産みたくもないわよ!」
おじさんと千春の口から怒鳴り声が迸った。
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最近電車の中で書いてるんですが。
結構視線が気になる。
というか今どきの高校生って結構すごいのね。
何って結構大きい声で好きな人の話しして惚気けてるんですけど。
あー、青春してー。
とか思ってるのは内緒です。
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