第27話 リハビリ中のイチャイチャ禁止なんて法律はない その5
しばらく抱き合ったまま、お互いを堪能したところで。
「さすがにそろそろおやつタイム再開しない?ほら、武弥達だってそんなに暇じゃないだろうし、あまり中庭に長居するわけにもいかないし」
「そっか、……おーい、彩希ちゃーん、そろそろ食べよ?」
ちとせの呼びかけに応える者はいない。
だって当の本人たちがくっついてなんか2人の世界に入っていろいろ喋ってんだもの。
人には人前でいちゃつくなと言っときながら、本人はコレである。
少々イラッときたので。
つんつん。
「なんだよ、政信」
「なんだよじゃねぇよ。人が呼びかけてんのに反応ねぇんだもん。大体、人に「人前でいちゃつくな」とか言っときながら本人はいちゃつくってどういうこと?」
「それはお前たちがイチャイチャしてて耐えらんなくなったからで――」
「言い訳無用!」
「それはないだろ!お前たち見てるとこっちは内臓に砂糖が貯蓄されていくんだよ!あれか?お前たちは俺達を糖尿病で殺すつもりか?」
イチャイチャしてるのを見ると砂糖が製造されて糖尿病になるらしい。
もはやそれは新しい病気なのではないだろうか?
少なくとも俺は武弥ほどイチャイチャしてるつもりはないのだが。
思わず怪訝な表情をし、そのままちとせと顔を見合わせるも、お互いに理解ができず表情そのままに武弥の方に向き直る。
すると。
「彩希、ひょっとして、こいつら本当の本当に自覚がない?」
「みたいだね。あんな大胆なことしてんのに」
「なんか嘘八百並べ立てられてないか?というか、そろそろ食べるの再開しないか?ちょっと喋りすぎだろ」
さすがにそこに納得はできたようで、再び4人の手がおやつの元へと伸びる。
ただやはり俺はリハビリ中なのもあり、思うように手が動かない。
それを見かねたのか、ちとせがひょいと手を伸ばし。
俺が手に持っていたパウンドケーキを掴み取った。
そしてそれを俺の口に近づけ。
「手、もう辛いんでしょ?ほら、口開けて」
「はいよ」
声だけだとただ気遣ってるだけのように聞こえるが、要するにあーんしてもらったわけだ。
それを見たらしい武弥と彩希が、次の瞬間露骨に目をそらす。
「だめだ、これ以上見てると俺達は死んでしまうぞ」
「これで自覚なしとかもう信じられないくらいだよ。どうしたら自覚させられるかな?」
結局その後、おやつを食べ終えるまで武弥たちが目を合わせてくることはなかった。
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文化祭も終わりましたので、これでようやく執筆に専念できます。
ところで、ウチは男子校なんですが、ナンパする生徒が多くてびっくりです。
というか、明らかにナンパ待ちの女子高生がいたんですよね……。
色々カオスでした。
こんどネタに使います、たぶん。
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