第231話 新たなる勇者

ゴルドステ教が認定した勇者は以下の通りである。


新たなる勇者の名はレオンハート。聖剣デュタンタルを引っさげ背が高く精悍な銀髪の男だが1ゴルド禿げが頭頂部にあった。ハゲが日に日に広がりつつあるのが恐怖で精神に異常をきたし始めていた。カッパ禿げだけは嫌だとぶつぶつ言っている事が多いと言う。


勇者のお仲間は以下の通り。


大魔法使いのミランダ。スリットの入った赤いドレスを着ている妖艶な魔女である。勿論はいてない痴女であるが誰にも見向きもされない。ほうれい線が深くなってきたお年頃である。


治癒術師のカレン。赤髪で三つ編みツインテールにしているソバカスのある田舎娘で、名前のとおり可憐なのかと思いきや瞬間湯沸かし器の様に喧嘩っ早く口の悪いヒステリー女であった。


重戦士のオモタイオ。ビアダルみたいな体型の中年男で重装備の鎧を着ている訳ではなくただ単に本人が重たい戦士なだけである。とりあえず肉の壁にはなりそうだ。


4人の勇者一行はお約束の東回りのルートで資金調達という名のゆすりたかりをするつもりで出発をしようと思っていたら教会に呼び止められ。西の魔族砦にさっさと行けと追い立てられてしまった。さすがにゴルドステ教会も同じ轍は踏まない。勇者どもが道草喰ってサボらんようにまずは西方司教の所に顔を出すようにと期限を切られてしまった。


「クソッ!ゴルドステ教のドケチ野郎!うまい汁が吸えないんじゃ勇者一行になんか参加するんじゃなかった!」

「カレン。あなたまたあのゴミ溜めみたいな貧民街に戻りたいの?」

「ミランダ姐さん。そうじゃないけどさぁ。もっと旨みが無いとやってらんねーよ!」

「吸血鬼を捕えれば売りの値1割もらえるっていうんだからいいでしょ。」

「いくらで売れるんだろ?相当高いって聞くよな。高級毛生え薬買いてえな。」

「ワタシは美形の吸血の男を一人売らずに頂くわ。想像したらお股がうずいちゃう。」

「姐さんも好きだよねー。わっちも1匹売らんでとっとこうかな女でも。ぐへへっ。」

「おい、ビヤダルのおッさん遅れんなよ?遅れれたら取り分が減らされんだからよ。」

「レオンよ、分ってるのだが身体が重くて中々進まんのだ。」

「はぁ?樽なんだから横になって転がした方がはえーんだよ!ほ-れほれほれ。」


ドスン!ゴロゴロゴロゴロゴロ!


「や、やめろカレン!目が回る。うえっぷ!」

「遅れるよりマシだ。そのまま転がして行け。カレン。」

「仕方ないわねぇ、遅れたら困るから我慢してねぇ。」

「ビアダル転がしだーぜー。あーははははw」




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