第129話 ドライアド再び
世界樹はとても大きく遠くからも見える、天辺は雲の上で見えない、果てしなく高い。近づくと幹の大きさに驚かされる、街一つすっぽり飲み込めるほどの途轍もない大きさだ。
ん?枝葉に何かもぞもぞと幼虫みたいな何かがいっぱいたかっていた。
「なんだあれは、ビッグイモムシとかか?アリス。」
「いえ、ジャイアントキャタピラーと言う魔物です。ソウシ様。あの魔物は葉を食べつくして成虫になると飛び立ち100個卵を産み増え続けるそこそこ厄介な魔物です。」
「なんだって?100倍づつ増えるのか、それは確かに厄介だな。」
「アリス、行くぞ。」
「はい、ソウシ様。」
俺はスケアクロウ(案山死)でやっつけた。10000匹くらいいたんじゃないかな。1匹1匹が5mくらいはあるので落ちて来ると危ないしとても邪魔だ、アリスは俺のスキルに合わせて阿吽の呼吸で異空間収納で回収してった。よく気が付く良い子だ。ぽむぽむなでなでしてあげる。アリスは目を細めて気持ちよさそうにしていた。
実は俺のスキルは叫ぶ必要など一切なく念じるだけで発動する。アリスもメイドール達も同様だ。10000回も叫んでたら喉が潰れるわ、だが黙って発動すると諸君に何をしてるかわからないため一々口に出しているに過ぎないのだ。中二臭いが親切設計なのさ。
するとドライアドのリアが顕現してお礼を言ってきた。
「ふう、危ない所を、ふう、助けて頂き、ふう、ありがとうございました。ふう。」
「様子がおかしいぞ?具合が悪そうだなリア。エメラルド、緑魔法で何とかしてやってくれ。」
「はーイ、畏まりましタ、ソウシ様。グリーンノヴァ!」
リアは淡い緑色の光に包まれ一瞬光輝きそして終息していった。
「リア、大丈夫か?」
「はい、もう大丈夫でございます。御使い様。」
「どうしたんだ、あんな芋虫毛虫ごときにやられるお前ではないだろう?」
「はい、普段は何ともないのですが、少々防虫成分が不足していたため、虫害に対抗できませんでした。」
「防虫成分てあの時俺にむしって渡してくれた緑のが原因か?それは済まない事をしたな。」
「いえ、私の油断でございます。最上級緑魔法をかけて頂いたので、御覧の通り防虫成分も再生しております。」
リアは片腕を上げて袖をまくり脇の下を見せてきた。綺麗な薄緑色の柔らかそうな産毛の様なものが生え揃っていた。とてもさわり心地がよさそうだ。もふもふに通じるものがあるな。
「私の場合、下には生えておりませんので。ここが無くなると虫に弱くなるのです。」
「ああ、この間見せてくれたから下がスリット一つでツルツルなのは知っている。俺の為に無理してくれたんだろうが、お前はこの世界にとって大事な体なんだ、気を付けろよ?」
「はい、ご心配頂いて有難うございます。」
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