第130話 ウンディーネも痴女!?


話しがひと段落した頃、ウンディーネのディネがかぼちゃの馬車からひょっこり顔を出して来た。


「リアちゃん大丈夫?遊びに来たよー。」

「あら、ディネちゃんお久しぶりねー。」


「やはり、リアはこいつを知っていたのか?実は南の泉で女神を騙っていたずらをしていてな。リアに確認してもらうために連れてきたんだ。」

「はい、私と同時期にエリス様に創造された太古の湖の精霊なのでございます。」


「リアちゃん、エリス様ってなーに?教えてー。」

「エリス様は私やあなたを創造して下さったお方ですよ。まだ知らなかったの?というかエリス様の御使い様に悪戯したの?ちゃんと謝りなさい。」


「はーい。エリス様の御使い様、知らない事とは言え御無礼致しました。済みません何卒お許しください。」

「もう誰にも悪戯はするなよ?それならば許してやろう。」


「はい、もう二度と悪戯しません。お許し下さり有難うございます。御使い様。お詫びのしるしにあたしの体液をお飲みください。そこに横になって頂けますか?」

「横に?なんで?」


「御使い様、私が膝枕いたしますのでどうぞこちらに。」

「う、うん。」


俺は誘蛾灯に誘われる蛾の如く、誘われるままに横になってリアの太ももに頭を乗せてしまった。この世に美女の膝枕を断れる偏屈者はそうは居まい。うん、柔らかくて中々気持ちいいな。森林の風が心地よい、このまま昼寝したい気分だ。スヤァ。


ディネはいきなりスカートをたくし上げ俺の顔を跨いできた。履いてねえ!開きかけの蕾が丸見えじゃないか!痴女だ痴女!そう言えばこいつも精霊だしリアと同じ羞恥心のカケラも無い感性の持ち主だったようだ。プシャアされる前に何とか起き上がろうとしたが、リアにがっちりホールドされて頭が動かん。こいつら2人で俺を嵌めやがったな!


「ちょっと待てえ!アリス!アリース!」

「ディネさん、ソウシ様のお顔にかけてはいけませんよ。こちらに来て下さい。」

「はい。」


アリスはディネを連れて世界樹の木陰に消えて行った。気の利くメイドール達はテキパキと簡易テーブルセットとパラソルを用意している。暫くするとアリスがトレーを持ってディネと一緒に馬車から出てきた。


グラスには薄青色の透明な液体が並々と入っていた。見た目はブルーハワイの薄い感じだ、とても涼しげで夏のお嬢さんがパラソルの下で飲んでいそうな色合いだ。叫んだので喉が渇いた俺はごくりと喉を鳴らす。


「ソウシ様、ウンディーネの体液には体力魔力MAX効果、疲労回復と精神疲労回復の効果があります。どうぞご賞味ください。」

「うん、アリスも一緒に飲もう。」


俺はストローを創造しグラスに刺した。ハート型で飲み口が2股に分かれているが、今度のは同じ方向を向いている恋人ストローだ。2人で並んで顔をピトっとくっつけないと一緒に飲めないホットな仕様なのだ。


アリスのすべすべした頬の柔らかさと温かさを感じながら2人でチューチュー啜る。アリスが頬をすりすり擦り付けてくる、俺もすりすり仕返す、アリスの頬の熱が上がってきた。とてもかわいい。


「うまああい!これはなんだ?波だ、口の中に波が押し寄せてくるぞ?清涼感たっぷりのクールで爽やかな香り、甘さ控えめで後味すっきり。風呂上りに常備して置きたい飲み物だ。」

「とても美味しいですね、ソウシ様。」

「美味しいって言って下さってとても嬉しいです。御使い様、聖女様。」


ウンディーネのディネはぺこりとお辞儀をした。



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